草根木皮みな薬
 

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鶏鳴散(けいめいさん)

種類 温化水湿剤
出典 証治準縄
組成 檳榔15g、陳皮9g、木瓜9g、呉茱萸3g、蘇葉3g、桔梗5g、生姜5g
方解 君-檳榔-質重下達、行気逐湿
臣-木瓜-舒筋活絡、化湿
陳皮-健脾燥湿、理気
蘇葉-宣通気機、外散表邪、内開鬱結
桔梗-宣通気機、外散表邪、内開鬱結
呉茱萸-温化寒湿、降逆止嘔
生姜-温化寒湿、降逆止嘔
用法 煎服
効能 行気降濁、宣化寒湿
主治 湿脚気。
足脛腫重無力、麻木冷痛、悪寒発熱、あるいは攣急上衝、ひいては胸悶氾悪。
また。風湿流中、足の痛みがひどい、筋脈浮腫。
方意 本方は湿脚気を治す主方である。
証は寒湿の邪が両足に付着することによるものである。
寒湿が経絡に入って壅阻し、気血不通を起こし、両足が麻木冷痛、足脛腫重無力を現す。
気が胃に逆上したら、胸悶氾悪を起こす。
初めに外感風邪なので悪寒発熱を現す。
風湿流中も外感湿が下侵のためである。
治療は逐湿袪邪、宣通気機をする。
方中の檳榔は君薬で、質重下達で、行気逐湿をする。
木瓜は臣薬で、舒筋活絡、化湿をする。陳皮は健脾燥湿、理気をする。
蘇陽、桔梗は宣通気機、外散表邪、内開鬱結をする。
呉茱萸、生姜は温化寒湿、降逆止嘔をする。
諸薬は協力して袪湿化濁、宣通散邪、温散寒湿、行気開壅を果たす。
本方は宣通を主とするが、偏寒の湿脚気に適応する。
本方は寒湿脚気の初期に対して効果が比較的よい。
表証明確の場合には、桂枝防風を加え袪風解表をする。
寒湿の重い場合には附子肉桂を加え、温散寒湿する。