草根木皮みな薬
 

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真人養臓湯(しんじんようぞうとう)

種類 渋腸固脱剤
出典 太平恵民和剤局方
組成 人参6g、当帰9g、白朮12g、肉豆蔲12g、肉桂3g、炙甘草6g、白芍15g、木香9g、訶子12g、炙罌粟殻20g
方解 君-罌粟殻-渋腸止瀉
-肉桂-温腎暖脾
臣-肉豆蔲-温腎暖脾、渋腸
-訶子-渋腸止瀉
-人参-益気健脾
-白朮-益気健脾
佐-当帰-養血和営
-白芍-養血和営
-木香-調気導滞、止痛
使-甘草-諸薬調和
用法 煎服
効能 渋腸固脱、温補脾腎
主治 久瀉久痢、脾腎虚寒。
大便滑脱不禁、腹痛喜按喜温、あるいは下痢赤白、あるいは便膿血、昼夜無度、裏急後重、臍腹痛、倦怠食少。
方意 本方は主に久瀉久痢を治す。
脾腎虚寒、固摂生不能であれば、大便滑脱不禁、腹痛喜按喜温、倦怠食少を起こす。
脾虚あるいは下元虚寒、気血不和であれば下痢赤白、あるいは便膿血、裏急後重、臍腹痛を起こす。
病は脾腎虚寒を本とするが久痢滑脱になると、治療は渋腸固脱を主とする。
方中の罌粟殻は重用され、渋疔止瀉の降火を果たし、肉桂は温腎暖脾でともに君薬である。
肉豆蔲は温腎暖脾かつ渋腸、訶子は渋腸止瀉、人参・白朮は益気健脾でともに臣薬であり、君薬と協力して温腎暖脾の功を果たし、かつ渋腸固脱の効果を増強する。このように虚寒瀉痢、臍腹痛等の証を治療することができる。
久痢であれば陰血を損傷するが当帰、白朮で養血和営を果たし、木香は調気導滞かつ止痛でともに佐薬である。
気血を調和するのは下痢膿血、裏急後重の諸証を治すためである。
甘草は諸薬を調和し、白芍と協同して緩急止痛もできる使薬である。