草根木皮みな薬
 

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杏蘇散(きょうそさん)

種類 軽宜潤燥剤
出典 温病条弁
組成 蘇葉半夏茯苓前胡桔梗枳殻甘草生姜陳皮杏仁各6g、大棗2枚
方解 半夏-袪湿化痰
茯苓-袪湿化痰
枳殻-理気寛胸
陳皮-理気寛胸
生姜-調営衛、和諸薬
大棗-調営衛、和諸薬
甘草-調営衛、和諸薬
用法 煎服
効能 軽宣凉燥、宣肺化痰
主治 外感凉燥。
頭微痛、悪寒無汗、咳嗽痰稀、鼻づまり嗌乾、苔城、脈弦。
方意 本方の証は凉燥外襲、肺失宣降によるものである。
凉燥傷表で、悪寒無汗、頭痛を現す。
凉燥傷肺で、肺失輸布、津液内結になり、咳嗽痰稀を現す。
肺は鼻に竅を開くが、嗌は肺系であり、凉燥は肺を犯したら肺気鬱遏になり、鼻詰まり、嗌乾を起こす。
治療は軽宣凉燥、宣肺化痰をする。
方中の蘇葉、前胡は解表散邪でやや汗を出す。
杏仁、桔梗は宣肺達邪、理気止咳である。
半夏、茯苓は袪湿化痰である。
枳殻、陳皮は理気寛胸である。
生姜、大棗、甘草は調営衛、和諸薬である。
全方は発表宣肺で、解凉燥、理気化痰、止咳嗽を果たす。
本方は参蘇飲から人参、葛根、木香を取り出し、杏仁を加えて組成する。
参蘇飲は虚人の外感、風寒襲肺、外渉皮毛による咳嗽痰多、胸膈満悶、頭痛鼻づまり、悪寒発熱を治す。
本方の証は凉燥襲肺、表証軽微なので発散の葛根をとり、宣肺の杏仁を加える。
正気不虚なので人参をとる。
ゆえに、両方の薬はかなり近似である。