草根木皮みな薬
 

薬膳や中医学を勉強している方、
知りたい方に送る薬膳や中医学情報

羗活勝湿湯(きょうかつしょうしつとう)

種類 袪風勝湿剤
出典 内外傷辨惑論
組成 羗活独活各6g、藁本防風・炙甘草川芎各3g、蔓荊子2g
方解 君-羗活-太陽経に入り、丈夫風湿を袪す
-独活-下部風湿を袪す
臣-防風-太陽経の風湿を除き、頭痛を止める
-藁本-太陽経の風湿を除き、頭痛を止める
佐-川芎-活血、袪風止痛
-蔓荊子-袪風止痛
使-甘草-諸薬調和
用法 煎服
効能 袪風勝湿
主治 風湿在表。
肩背の痛みで回頭や体動が困難、頭痛身重、あるいは腰脊痛で体動困難、苔白脈浮
方意 本方は汗が出たとき、風に当たる、あるいは湿地に住んで、風湿の邪が肌表に侵入することによるものを治す。
風湿相搏、太陽経輸に鬱結すれば、頭痛身重、あるいは腰脊痛で体動困難を起こす。
邪が表にあたるので解表すべき、風湿の邪が汗とともに追い出す。
だから治療は袪風勝湿の法で治す。
方中の羗活、独活は君薬で、羗活は太陽経に入り、上部風湿を袪し、独活は下部風湿を袪する。
二薬は協力して全身の風湿を散し、舒利関節で、通痺をする。
防風、藁本は臣薬で、太陽経の風湿を除き、頭痛をも止める。
川芎は佐薬で、活血、袪風止痛をする。
蔓荊子は袪風止痛をする。
甘草は使薬で、諸薬を調和する。
諸薬は協力して袪風勝湿の効を果たす。
服用後にやや汗を出し、風湿を追い出し、その痛みは治る。
本方と九味羗活湯は袪風除湿、止頭身痛である。
しかし、九味羗活湯は解表の力が本方より強い、兼ねて清熱する。
だから、主に悪寒発熱を治し、兼ねて口苦微渇を治す。
本方は全身風湿を袪し、解表力が比較的弱い。
だから、主に頭身重痛を主とするが、悪寒発熱の表証が著名でない証を治す。