草根木皮みな薬
 

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肉桂(にくけい)

肉桂

中華街で購入したもの

肉桂

肉桂

肉桂

セイロンニッケイ

分類
散寒薬
出典
名医別録
処方用名
肉桂、上玉桂、玉桂、桂心、紫油桂、官桂、安桂、薄桂、桂皮、ケイヒ
基原
クスノキ科 Lauraceae のケイ Cinnamomum cassia BLUME およびその他同属植物の幹皮
性味
辛、甘/大熱
帰経
肝、腎、心、脾、胃
効能
補火助陽、散寒止痛、温痛経脈
1.腎陽不足、命門火衰より起った悪寒、四肢の冷え、腰や膝が無力、インポテンツ、頻尿、脾腎陽虚により起った腹部の冷痛、食欲不振、泥状便などに用いる。
桂皮の性味は辛熱、腎陽を補う主薬である。
常に附子熟地黄山茱萸などの温補肝腎薬を配合して、たとえば桂附八味丸を用いる。
脾腎陽虚証には、附子乾姜白朮などを配合して温補脾腎する、たとえば桂附理中丸である。
また陽虚で陰寒内盛、虚陽上浮の上熱下寒証にも用いられる。
2.腹部の冷痛、寒湿による痺痛、腰痛、血分に及ぶ寒と瘀血による閉経、生理痛などの病証に用いる。
桂皮は寒をしりぞけ、血脈を通暢させることができるので、寒凝気滞あるいは寒凝血瘀によるどちらかの痛証に使用しても良い。
単味で粉末にして沖服するか、他の散寒止痛薬を配合する。
血のめぐりが寒によって悪くなると、当帰川芎などの活血通経薬を配合すべきである。
3.陰疽(陰証に属する化膿症)および気血虚寒によって、癰腫が膿があってもつぶれない、あるいはつぶれた後長期間収斂していないなどの外科疾患に用いる。
これは、散寒温阻、通暢気血の効能を用いる。
陰疽には熟地、鹿角膠麻黄などを配合する。例:陽和湯
気血虚には黄耆当帰などを配合する。例:托裏黄耆湯。
このほか、気衰血少の証には、常に補気養血薬に少量の肉桂を加えると、温運陽気し気血の生成を促進する効力がある。
たとえば、十全大補湯人参養栄湯の中の桂枝は、そのためである。
注意
陰虚火旺、実熱証、血熱妄行および妊娠中の婦人には禁忌である。
コメント
桂枝は若い枝、肉桂は幹の方の皮で、さらに体が温まり、大熱。
補陽薬より、さらに冷えきっている体を温める温裏薬です。
漢方薬局で桂枝を所望すると、同じものだからと、桂皮と書かれているものが出てきました。
まあ、同じ植物には違いありませんが。菓子材料や料理に使われているシナモンスティックより、香りが高く、効果が強いような気がします。
肉桂はカシアの皮、シナモンは Cinnamomum verum のことだそうです。
中華街で購入したものは、遠目で私が買うのを見ていた母は牛蒡のようなものを買ったと思ったそうです。
長さといい太さといい、ほんと牛蒡のようです。
おまけにとっても安くて330円でした。
参考
Cinnamomum cassia の画像