草根木皮みな薬
 

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六一散(ろくいちさん)

種類 袪暑利湿剤
出典 傷寒直格
組成 滑石60g、生甘草10g
方解 君-滑石-質が重い、体が滑、甘淡寒、清熱利小便
佐、使-甘草-清熱和中
用法 粉末にし1日2〜3回ずつを包煎するか湯に溶いて服用する
効能 袪暑利湿
主治 感受暑湿。
身熱煩渇、小便不利、あるいは泄瀉。
病機 暑湿の邪の外感である
方意 本方の証は、暑邪兼湿によるものである。
暑が陽邪であり、心に通じるので、暑に犯された者は、よく身熱、心煩を現す。
暑熱傷津の場合は口渇を現す。
暑熱傷気、湿が裏に詰まったら膀胱気化が不利にあり、小便不利を起こす、あるいは泄瀉を起こす。
治療は袪暑利湿の法を用いる。 「明医雑著」に「治暑の法は清心利小便もっともよし」とあるように、清暑利湿の基本方である方中の滑石は質が重い、体が滑、味が甘淡、性が寒で、清熱利小便であり、三焦湿熱が小便から出るようにし、暑湿による心煩、口渇、小便不利の諸症を除く君薬である。
甘草は清熱和中で、佐、使薬として滑石と配伍し、甘寒生津で利小便でありながら津液を傷つけない。
本方は薬が二味であるが清熱でありながら湿を留めない、利水でありながら液を傷つけない、暑湿病を治療する常用の基礎方である。
しかし、本方は薬が少なく力が薄いので暑湿の重い者には他の方薬を配伍して用いる。
注意 暑病で湿がない、あるいは小便利の者には適応しない。