草根木皮みな薬
 

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当帰六黄湯(とうきりくおうとう)

種類 清虚熱剤
出典 蘭宝秘蔵
組成 当帰生地黄熟地黄黄芩黄柏黄連各6g、黄耆12g
方解 君-当帰-育陰養血、清内熱
-生地黄-育陰養血、清内熱
-熟地黄-育陰養血、清内熱
臣-黄芩-瀉火除煩、清熱堅陰
-黄柏-瀉火除煩、清熱堅陰
-黄連-瀉火除煩、清熱堅陰
佐-黄耆-益気固表
用法 粉末にし、1回15gを煎服してもよい
効能 滋陰瀉火、固表止汗
主治 陰虚有火、発熱盗汗。面赤、心煩、口乾唇燥、便結尿黄、舌紅、脈数。
病機 内熱の燻蒸により陰虚が生じ、発熱、盗汗をきたした状態
方意 本方は陰虚有火による発熱盗汗の症候を治療する。
内熱により、陽盛陰虚、営陰不守、衛外不固が起る。だから、発熱、盗汗が見られる。
虚火上炎により、面赤心煩を起こす。
火耗陰津により、口乾、舌紅、脈数を現す。
方中の当帰、生地黄、熟地黄は主薬で育陰養血で内熱を清す。
「三黄」は瀉火除煩、清熱堅陰で、補助薬である。
倍の量を使う黄耆は佐薬で、益気固表を果たして寝汗を止める。
全方の配伍を総合的に見ると、
1.養血育陰と瀉火除熱を併用して陰水で火を抑え、清熱で耗陰を防ぐ。
2.益気固表と育陰瀉火を併用して内外配慮の法で、営陰がしっかり内にいるように、衛が外を守る。
このようにして内熱、外汗は治る。
だから、本方の主治証は陰虚内熱あるいは陽虚内熱と違い、気虚自汗とも違う。
また本方の配伍は単純な滋陰清熱、瀉火清熱、益気固表とも異なる。