草根木皮みな薬
 

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泰山磐石散(たいざんばんじゃくさん)

種類 気血双補
出典 景岳全書
組成 人参3〜5g、黄耆15g、川続断5g、黄芩5g、白朮10g、川芎4g、芍薬6g、熟地黄10g、砂仁4g、炙甘草4g、糯米5g
方解 人参-補脾益気
黄耆-補脾益気
白朮-補脾益気
炙甘草-補脾益気
当帰-補益肝腎、養血和血
熟地黄-補益肝腎、養血和血
芍薬-補益肝腎、養血和血
川続断-補益肝腎、養血和血
白朮-健脾
黄芩-健脾清熱
縮砂-辛温渋、理気和中、安胎
川芎-補血、調和血中の気
糯米-甘平、養脾胃、固胎元
用法 水煎服、1日3回、空腹時
効能 益気健脾、養血安胎
主治 妊娠時の気血両虚。
胎動不安あるいは習慣性流産、顔面淡白、倦怠無力、食欲不振、舌淡、苔薄白、脈滑無力あるいは沈弱。
病機 気血虚弱による胎動不安や流産
方意 本方の症は気血虚弱、胞宮不固、胎元失養による胎動不安、あるいは流産である。
気血虚弱に対する本治と胎動不安に対する標治を同時に行う。
人参、黄耆、白朮、炙甘草で補脾益気を果たす。
当帰、熟地黄、芍薬、川続断で補益肝腎、養血和血を果たす。
その中の白朮と黄芩を配伍して健脾清熱で安胎の効を果たす。
縮砂は辛温、渋で理気和中、安胎を果たす。
川芎は補血、養血薬中に配伍されて血中の気を調和する。
糯米は甘平で養脾胃、固胎元を果たす。
諸薬は協同して益気健脾、補陽肝腎、固胎元を果たす。
本方は十全大補湯から桂皮、茯苓をとり、川続断、黄芩、縮砂、糯米を加えて組成する。
桂皮をとるのはその辛熱の動陽、助陽、動火による動胎を防ぐためである。
茯苓をとるのは、その淡滲の津液下行、外泄により、養胎の邪魔を除くためである。
本方は原書においての加減は「熱者には黄芩を倍増し、砂仁を減らす。
胃弱者には砂仁を多く用い、黄芩を減らす。」
注意 現代は本方でよく習慣性流産を治す。
妊娠の2か月から毎週一剤を服用する。
服用2〜3か月で、一定の効果が得られる。