草根木皮みな薬
 

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桃花湯(とうかとう)

種類 渋腸固脱剤
出典 傷寒論
組成 赤石脂30g、乾姜9g、粳米30g
方解 君-赤石脂-体重、温、渋腸固脱
臣-乾姜-温中袪寒
佐、使-粳米養胃和中
用法 煎服
効能 温中渋腸
主治 久痢不癒、便膿血、色暗不鮮、小便不利、腹痛、喜按喜温等。
方意 本法は原書では「少陰病、下痢便膿血」を治す。
つまり、病は少陰に属する。
病所は脾だけにあるのではないが、脾腎虚寒、腸失固摂によるものである。
だから、下痢の膿血の色は暗で鮮やかではない、腹痛が喜按喜温であり、治療は温中渋腸をすべきである。
方中の赤石脂は体重性温で、渋腸固脱する君薬である。
乾姜は温中虚寒で臣薬である。
粳米は養胃和中で、君臣薬を手伝って腸胃を助ける佐使薬である。
諸薬は協力して温中渋腸の効果を果たし、中焦虚寒による久瀉をも治す。
しかし、本方の温腎補虚の力は不足で、久痢で脾腎虚寒の証が比較的ひどい場合は人参附子等を加えた方がよいが、これは益気補虚、温腎暖脾の効を増強するためである。