訶子(かし)

分類: 収渋薬
出典: 薬性論
処方用名: 訶子、訶子皮、訶子肉、煨訶子、訶黎勒、呵子、カシ
基原: シクンシ科 Combretaceae のミロバラン Terminalia chebula RETZ. の果実
性味: 苦、酸、渋/平
帰経: 肺、大腸
効能: 渋腸、斂肺、下気、利咽
1.慢性下痢、慢性赤痢、脱肛に用いる。
訶子は渋腸止瀉の作用があり、行気消脹することもできる。
臨床では証候の寒熱の違いによって、適切な配合を行わなければならない。
たとえば、腹痛、発熱を伴う慢性赤痢を治療する訶子散は、訶子に黄連、木香、甘草を配伍する。
虚寒による慢性下痢、あるいは脱肛には乾姜、罌粟殻、陳皮などを配伍する。例：訶子皮散。
2.肺虚による咳嗽あるいは嗄声を伴う慢性咳嗽に用いる。
訶子は斂肺止咳のほか、清肺利咽の作用もある。
たとえば訶子湯は、桔梗、甘草を配伍して、声が出なくなる場合に使用する。
訶子飲は、杏仁、通草、煨姜を配伍し、慢性咳嗽、嗄声を治療する場合に用いる。
注意: 表証、湿熱積滞証には禁忌。
コメント: ミロバランは、草木染めの染料として使われています。
参考: Terminalia chebula の画像

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