芍薬湯(しゃくやくとう)
| 種類 | 清臓腑熱剤 |
| 出典 | 保令集 |
| 組成 | 白芍15〜21g、当帰9g、黄連6〜9g、檳榔子6g、木香6g(後下)、炙甘草6g、大黄9g(後下)、黄芩9g、肉桂2〜5g(沖服) |
| メモ | シャカントウ木刀ビンロ、オレダイゴン肉 |
| 方解 | 芍薬-調和営血 当帰-調和営血 甘草-緩急止痛 黄連-苦寒燥湿、治腸中熱毒 黄芩-苦寒燥湿、治腸中熱毒 大黄-清瀉、下行熱 木香-行気導滞 檳榔-行気導滞 桂皮-苦寒薬に対し反佐、苦寒傷用、寒伏湿熱を防ぐ |
| 用法 | 水煎服 |
| 効能 | 調和気血、清熱解毒 |
| 主治 | 湿熱痢。 腹痛、便濃血、赤白混雑、裏急後重、肛門灼熱、小便短赤、舌苔黄膩 |
| 病機 | 大腸湿熱の湿熱併重 |
| 方意 | 本方の証は、湿熱が腸に溜まって気滞失調を起こす。 だから、腹痛、裏急後重がみられる。 気血瘀滞が濃血に変わる。 だから、下痢赤白がみられる。湿熱下注なので小便短赤、肛門灼熱がみられる。 本方は調和気血を主とするが兼ねて清熱解毒をする。 芍薬は当帰と配伍して調和営血を果たす。 甘草は緩急止痛で、黄連、黄芩は苦寒燥湿で、腸中の熱毒を治す。 大黄は黄芩、黄連と配伍し、清しながら瀉し、熱を下へ行かせる。 木香、檳榔は行気導滞する。 桂皮は苦寒薬の中で「反佐」を果たし、苦寒傷陽、寒伏湿熱を防ぐ。 そして、和血薬を配伍して行血の効を増強する。 以上の配伍を見ると「行血」と「調気」の配伍の方法である。 これは気血瘀滞の赤白下痢に対して使うわけである。 |
| 注意 | 細菌性下痢、赤痢アメーバ、急性腸炎等の湿熱下痢の症候者によく使う |