草根木皮みな薬
 

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桑螵蛸散(そうひょうしょうさん)

種類 渋精止遺剤
出典 本草[彳氵〒]義
組成 桑螵蛸遠志石菖蒲竜骨人参茯神当帰亀甲各30g
方解 君-桑螵蛸-補腎益精、固脬止遺
臣-竜骨-斂心神、渋精気
-亀甲-益陰気、補心腎
佐-人参-補中気
-当帰-養心血
-茯神-安心神
遠志-安神定志、交通心腎
石菖蒲-安神定志、交通心腎
用法 煎服
効能 調補心腎、渋精止遺
主治 心腎両虚。
小便頻数、あるいは尿液混濁、心神恍惚、健忘食少、および遺尿、滑精等。
方意 本方の証は心腎両虚、水火不交によるものである。
心虚であれば神が養われないので恍惚健忘の証が見られる。
腎虚不固、摂納無権であれば小便頻数、あるいは尿液混濁、あるいは遺尿、滑精諸証が見られる。
治療は調補心腎、渋精止遺をする。
本中の桑螵蛸は補腎益精、固脬(膀胱)止遺で君薬である。
竜骨は斂心神、渋精気で、亀甲は益陰気、補心腎で、共に臣薬である。
人参は補中気で、当帰は養心血で茯神は安神で共に佐薬である。
遠志、石菖蒲は安心定志で交通心腎できる佐使薬である。
諸薬は協力して補腎益精、渋精止遺を果たしながら補心養神もできる。
これによって両調心腎、交通上下、収斂固渋の効をも果たす。
心腎両虚、腎関不固、心神失養の小便頻数、遺尿滑精、恍惚健忘、形色憔悴等の症に対して特に適応する。
もし、下焦火盛、あるいは湿熱困擾によるものには適応しない。