草根木皮みな薬
 

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七宝美髥丹(しっぽうびぜんたん)

種類 補陰剤
出典 医方集解
組成 熟何首烏300g、茯苓150g、酒懐牛膝150g、酒当帰150g、酒莵絲子150g、酒枸杞子150g、補滑脂120g
方解 何首烏-渋で固精、苦で堅筋骨
莵絲子-入肝腎
枸杞子-入肝腎
牛膝-苦平、補肝腎、堅筋骨、強腰膝
当帰-補血養肝
補骨脂-温補腎陽
茯苓-滲湿泄濁
用法 10gの蜜丸にし朝晩各1丸をうすい塩水で服用
効能 滋腎水、益肝血
主治 肝腎不足、須髪早白、歯牙動揺、夢精、遺精、滑精、腰膝酸軟等の証。
病機 肝腎精血不足による早期老化
方意 髪は血の余りであり、肝が血を蔵し、だから、肝血が髪を主とする。
もし、肝血虧虚であれば、頭面を養う血が不足になり、須髪が白くなりやすい。
歯は骨の余りであり、腎が骨を主とし、髄を生じる。
もし、腎陰腎陽が虧虚であれば、歯牙動揺となる。
夢精、遺精、滑精が、腎虚の精関不固によるのである。
腰膝酸軟も肝腎虧虚の証である。
方中の何首烏の用量は比較的多い。
何首烏は本方の主薬で、味渋で固精でき、苦で堅筋骨できる。
莵絲子、枸杞子は肝腎に入る。
何首烏、枸杞子、莵絲子を配伍し填精補腎、固精止遺の効を果たす。
牛膝は苦平で、補肝腎、堅筋骨の強腰膝の効を果たす。
当帰は補血養肝し、さらに何首烏、莵絲子、枸杞子と併用して補肝腎、益精血を通して烏須髪を果たす。
諸薬はいずれも滋腎填精、養血のものであり、その性は陰である。
陰があっても陽がなければ陰は生まれない。
だから、補骨脂で温補腎陽を果たす。
これは陰中に陽を求める意義である。
このようにして陰平陽秘になる。
そして、補があり瀉がないと、膀胱の泄濁の働きを邪魔する恐れがあるので茯苓で滲湿泄濁を果たす。