健脾丸(けんぴがん)
| 出典 | 証治準縄 |
| 組成 | 炒白朮75g、木香・酒黄連・甘草各22g、茯苓60g、人参45g、炒神曲・陳皮・砂仁・炒麦芽・山楂子・山薬・肉豆蔲各30g |
| メモ | 四君子に山の肉、サンザンバクシン、ボクチン砂オレ |
| 方解 | 四君子湯 君-白朮-補脾滲湿、止瀉 -茯苓-補脾滲湿、止瀉 -人参-補気健脾 -甘草-補気健脾 佐-山薬-健脾止瀉 -肉豆蔲-健脾止瀉 山楂子-消食化滞 神曲-消食化滞 麦芽-消食化滞 木香-理気和胃 砂仁-理気和胃 陳皮-理気和胃 黄連-清熱燥湿 |
| 用法 | 丸剤にして1日2回、毎回6～9g服用 |
| 効能 | 健脾和胃、消食止瀉 |
| 主治 | 脾胃虚弱、飲食内停。 食少難消、脘腹痞悶、大便溏薄、苔膩微黄、脈象虚弱。 |
| 方意 | 本方は主に脾虚胃弱、食積化熱の証を治す。 脾胃虚弱、運化無力であれば、食欲不振、消化不良を起こす。 食が中焦に滞し、気機に阻碍すれば、脘腹痞満を現す。 脾虚であれば、湿を生じ、湿邪下注になれば、大便溏薄を起こす。 食積であれば、熱に変わって、苔膩微黄を現す。 治療は健脾消食をし、かねて清熱をする。 方中の四君子湯は補気健脾をし、その中の白朮、茯苓の用量がやや多いが、補脾滲湿によって止瀉を果たす君薬である。 山薬、肉豆蔲は佐薬で、健脾止瀉を手伝う。 山楂子、神曲、麦芽は消食化滞をする。 木香、砂仁、陳皮は理気和胃をする。 黄連は清熱燥湿をする。 諸薬は協力して食積を除き、脾運を助け、胃気を調和し、湿熱を清する。 方中には健脾の薬が多いので「健脾丸」と称する。 全方を見ると本方は消補兼施の方剤であり、補脾消食の力は枳朮丸より大きい。 そして、滲湿止瀉、化湿熱もできる。 本方は健脾消食止瀉の方剤であり、枳朮丸は化積除痞の方剤である。 |