参苓白朮散(じんりょうびゃくじゅつさん)
| 種類 | 気陰双補剤 |
| 出典 | 太平恵民和剤局方 |
| 組成 | 蓮肉500g、薏苡仁500g、縮沙仁500g、桔梗500g、扁豆750g、茯苓1kg、人参1kg、炙甘草1kg、白朮1kg、山薬1kg |
| メモ | 四君子湯にハト山ハス豆陳謝キキョ |
| 方解 | 四君子湯 人参-甘温大補元気、健脾養胃 白朮-苦温健脾燥湿 茯苓-甘淡滲湿健脾 炙甘草-甘温調中 扁豆-甘淡、健脾、袪湿 薏苡仁-甘淡、健脾、袪湿 山薬-甘淡、健脾 蓮肉-甘渋、健脾、袪湿 縮砂-辛温芳香醒脾 桔梗-肺経の引経薬、補肺益 |
| 用法 | 原方の比率に従い、適当に加減して湯剤として服用 |
| 効能 | 益気健脾、滲湿止瀉 |
| 主治 | 脾胃虚弱。 食少、便溏、あるいは瀉、あるいは吐、四肢無力、形体消痩、胸脘悶脹、面色萎黄、舌淡紅苔白、脈細緩あるいは虚緩。 |
| 病機 | 脾虚で運化が低下した状態であり、水穀の精微の産生が不足したために脾陰が虚す場合と、水湿の運化が不足して湿が停滞し痰を生じる場合の両面が現れる。 |
| 方意 | 本方の証は、脾気虚で湿を運化できず、湿が内から生じ、大便稀溏あるいは泄瀉、苔白を現す。 胃気弱になると食欲不振を現す。 さらに脾弱で水穀の精微を運化できず、形体消痩、四肢無力、面色萎黄、脈細虚緩がみられる。 胃気失降になると、上逆するが嘔吐あるいは乾噦を現す。 中焦の気機不調なので胸脘脹満を現す。 本方は四君の平補脾胃の気を主として、扁豆、 薏苡仁、山薬の甘淡、蓮肉の甘渋を配伍し、白朮を補助して健脾、袪湿、止瀉を果たす。 縮砂の辛温芳香醒脾を加え、四君を佐して中焦の運化を促進し、上下の気機を通じ吐瀉を止める。 桔梗は手太陰肺経の引経薬であり、本方に配伍され、諸薬を上焦に導いて肺を補益する。 本方の証のほかに肺気虚、久咳痰多を兼ねる場合にも適応する。 これは培土生金法の応用である。 |