仙鶴草(せんかくそう)
- 分類
 - 止血薬
 - 出典
 - 滇南本草
 - 処方用名
 - 仙鶴草、竜牙草、脱力草
 - 基原
 - バラ科 Rosaceae のキンミズヒキ Agrimonia pilosa LEDEB. の全草
 - 性味
 - 苦、渋/平
 - 帰経
 - 心、肝、脾、胃、大腸
 - 効能
 - 収斂止血、補虚強壮
1.喀血、吐血、鼻出血、血尿、血便、崩漏などの症候に用いる。
仙鶴草の味は渋で、収斂、止血の作用がある。
広く各種の出血症に用いる。
単独で用いても効果はあるが、他の止血薬を配伍して用いることが多い。
たとえば、血熱妄行には、凉血止血の作用がある鮮地黄、牡丹皮、山梔子、側柏葉などを配伍する。
崩漏の止まらないものは虚寒証に属すが、それに対し、よく益気補血、温経止血の作用がある党参、黄芩、熟地黄、炮姜などを配伍して使用する。
2.下痢に用いる。
仙鶴草は収斂の効能があり、慢性下痢の治療によく用いられる。
仙鶴草30g、白槿花10gを併用すると、下痢止めの作用がある。
もし症状が複雑である場合は、適当な薬物を配伍して使用することができる。
3.疲れすぎによる倦怠感、気力が乏しい、食欲正常なものには、仙鶴草を30g、等量の大棗と煎じてその濃汁を飲む。
これによって気血を補い、体力を回復させることができる。
4.近年来、トリコモナス膣炎による陰部湿疹掻痒感にも用いる。
120gを煎じてその汁で陰道を洗い、さらに糸のついた綿球を汁に浸して膣道に入れ、3〜4時間後に取り出す。
毎日1回、持続的に1週間行うとトリコモナスを殺す作用がある。
このほか、マラリアにも使い、単独で大量に煎じて飲む。
化膿性炎症、痔腫には、茎、葉をとろとろに煎じて蜂蜜と混ぜて軟膏として外用する。
同時に内服もする。 - 参考
 - Agrimonia pilosa の画像