草根木皮みな薬
 

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足の太陽膀胱経
Points of Bladder Meridian of Foot-Taiyang, BL67

目の内眦に起こり、額に上りて巓(頭頂正中の最高点で百会に当たる)に交わる。
其の支れたる者は、巓より耳の上角に至る。
其の直なる者は、巓より入りて脳を絡い、還た出でて別れて項に下り、肩髆(肩胛骨)の内を循り、脊を挟みて腰中に抵り、入りて膂(脊を挟んだ両旁の肌肉)を循り、腎を絡い膀胱に属す。
其の支れたる者は、腰中より下りて脊を挟み、臀を貫き、膕中(膝窩横紋)に入る。
其の支れたる者は、髆内の左右より、別れて下りて胛を貫き、脊内を挟み、髀枢(大腿骨上端の関節を指す。すなわち環跳の所)を過ぎり、髀外を循りて後廉より下りて、髆中に合し、以て下りて踹内を貫き、外踝の後に出で、京骨(足の外側の小指の関節の後の突き出した半円骨、また穴名)を循り、小指の外側に至る
足太陽の別は、名づけて飛陽と曰う。踝を去ること七寸、別れて少陰に走る。実するは則ち鼽窒し、頭背痛む。虚するは則ち鼽衄す。これを別るるところに取るなり。
霊枢・経脈』参照

記号 経穴 位置 取穴 解剖 意味 主治 要穴 交会
BL1 睛明(せいめい)、泪孔、
泪空
在目内眦外(甲乙) 内眼角外上方陥凹中に取る。(注1) 眼窩の内縁で内側の眼瞼交連中、深部は内側直筋 本穴は目内眦にあり、主治は目疾患であり明目の作用がある。眼疾治療の要穴 一切の眼疾患、目赤腫痛、憎寒頭痛、目眩、迎風流泪、内眦痒痛、翼状片、目翳、目がはっきり見えない、近視、夜盲症、色盲
攅竹治目痛・視不明・迎風流泪
疏風清熱、明目止痛
  手太陽、足陽明、陰蹻、陽蹻之会
BL2 攅竹(さんちく)
員在、
始光、
夜光、
明光、
員柱
在眉頭陥者中(甲乙) 眉毛内側端、眼窩上切痕に取る。 前頭筋、皺眉筋 攅は集まり群がる様子で、竹は眉毛が竹に似ているから。本穴は眉頭の陥凹部にある。 眉棱骨痛、目眩、目がはっきり見えない、目赤腫痛、迎風流泪、近視、眼瞼のひきつれ、顔面神経麻痺、鼻炎
承光腎兪絲竹空和髎治頭痛
疏風清熱、通絡明目
   
BL3 眉衝(びしょう)
小竹
当両眉頭直上、入髪際是(資生) 眉毛の内側直上、前髪際を入ったところ5分神庭曲差の間(注2) 前頭筋 衝は衝動の意味。足太陽膀胱経の気は、眉頭をまっすぐ上昇し本穴に至る。 癲癇、頭痛、眩暈、目がはっきり見えない、鼻づまり
袪風清熱、通竅安神
   
BL4 曲差(きょくさ)
鼻衝
神庭両旁各一寸五分、在髪際(甲乙) 神庭の外方1寸5分、前髪際を入ること5分神庭頭維の連線を三つに区切り、その内側3分の1に取る。 前頭筋 曲は曲折、差は不揃いの意味。足太陽の脈は、眉衝からまっすぐ上がり、曲折して本穴にくる。 頭痛、目眩、目痛、目がはっきり見えない、鼻づまり、鼻血、鼻炎、喘息
上星治蓄膿症
風清熱、開竅明目
   
BL5 五処(ごしょ) 督脈旁、去上星一寸五分(甲乙) 曲差の直上、前髪際を1寸入って取る。 前頭筋 曲差より5分であり、膀胱経の5番目の経穴であることを示す。 頭痛、目眩、目がはっきり見えない、癲癇、小児の癲癇
泄熱袪風、明目安神
   
BL6 承光(しょうこう) 五処後一寸五分(銅人) 五処の後1寸5分五処通天の間に取る。 帽状腱膜中 承とは受け取るで、光は光明の意味。光を受け取ることで、主治は眼疾患。目に効くことを示す。 頭痛、目眩、嘔吐煩心、目がはっきり見えない、鼻塞多涕、熱病無汗
明目通竅、 風泄熱
   
BL7 通天(つうてん)
天白、
天伯
承光後一寸五分(銅人) 承光の後1寸5分承光絡却の間に取る。 帽状腱膜 通は通過、天は高所を指す。本穴は足太陽の脈の高所にある。 頭痛、頭重、眩暈、顔面神経麻痺、鼻塞多清涕、鼻血、頸がまわりにくい、甲状腺腫、鼻のポリープ、鼻づまり、鼻水が止まらない
清熱散風、通竅活絡
   
BL8 絡却(らっきゃく)
強陽、
脳蓋
通天後一寸五分(千金方) 通天の後1寸5分、督脈から1寸5分離れて取る。 後頭筋の停止部 絡は連なる、却は還出の意味。足太陽の脈が「入絡脳、還出」するところ。 眩暈、耳鳴、鼻づまり、顔面神経麻痺、癲癇、うつ病で精神錯乱、目がはっきり見えない、項腫、甲状腺腫
安神定志、清利頭目
   
BL9 玉枕(ぎょくちん) 絡却後一寸五分、侠脳戸旁一寸三分、起肉枕骨入髪際上三寸(銅人) 脳戸の外方1寸3分、外後頭隆起外側縁に取る。 後頭筋 枕骨(外後頭隆起)の両かたわらの突起は玉枕骨(上項線)という。 頭痛、悪風寒、嘔吐、遠くが見えない、目痛、鼻づまり
開竅明目、通経活絡
   
BL10 天柱(てんちゅう) 在侠項後髪際、大筋外廉陥者中(甲乙) 瘂門の外方1寸3分、項部、後髪際、僧帽筋外側に取る。 僧帽筋起始部、深層は頭半棘筋 本穴は頭部にあり、頭は天を指す。古代、頸椎を天柱骨という。頭を支える柱の意味。 頭痛、項強、眩暈、目赤腫痛、鼻づまり、不知香臭、咽腫、肩背痛、足不任身
陶道大杼孔最、治頭痛
清熱疏風、通経活絡
   
BL11 大杼(だいじょ) 在項第一椎下、両旁各一寸五分陥者中(甲乙) うつ伏せになり、第一胸椎棘突起下、陶道の外方1寸5分に取る。 僧帽筋、菱形筋、上後鋸筋、最も深層は最長筋 杼は機織りに使う杼を指す。第一胸椎を杼骨と称する。本穴は杼骨の端にあり、五臓六腑の上の高い場所にあるから。 咳嗽、発熱、鼻づまり、頭痛、喉痺、肩胛痠痛、頸項強急
強健筋骨、通経活絡、清熱透表
骨会、八会穴 手太陽・足太陽之会
BL12 風門(ふうもん)
熱府
在第二椎下、両旁各一寸五分(甲乙) うつ伏せになり、第二胸椎棘突起下、督脈の外方1寸5分に取る。 僧帽筋、菱形筋、上後鋸筋、最も深層は最長筋 風は風邪、門」は外に出入り通過する門戸を指す。本穴の主治は風疾で風邪が出入りする門戸である。 傷風咳嗽、発熱頭痛、目眩、多涕、鼻づまり、項強、胸背痛、発背瘍疽、胸中熱、身熱
肩井中渚支溝後谿腕骨委中治肩背痠痛
※1 疏風解表、調理肺気
  督脈、足太陽之会
BL13 肺兪(はいゆ) 在第三椎下、両旁各一寸五分(甲乙) うつ伏せになり、第三胸椎棘突起下、身柱の外方1寸5分に取る。 僧帽筋、菱形筋、深層は最長筋 兪は輸(運ぶ)の意でもあり、本穴は背部にあり肺につながって肺気を巡らせ注ぐところで、肺疾患の重要腧穴 咳嗽、気喘、胸満、腰脊痛、吐血、喉痺、骨蒸、潮熱、盗汗
足三里膻中乳根風門缺盆治久咳不癒
清熱解表、宣肺理気
肺経の背兪穴  
BL14 厥陰兪(けついんゆ)
厥兪
在第四椎下、両旁相去各一寸五分(銅人) うつ伏せになり、第四胸椎棘突起下、外方1寸5分に取る。 僧帽筋、菱形筋、深層は最長筋 厥陰は厥陰心包経を指す。本穴は、肺兪心兪の間にあり、心・心包疾患を治療する。 心痛、心悸、胸悶、咳嗽、嘔吐
活血理気、疏通心脈
心包経の背兪穴  
BL15 心兪(しんゆ) 在第五椎下、両旁各一寸五分(甲乙) うつ伏せになり、第五胸椎棘突起下、神道の外方1寸5分に取る。
(肩甲棘最高点T3)
僧帽筋、菱形筋、深層は最長筋 心気が注ぐところで、心の重要腧穴

癲癇、うつ病で精神錯乱、驚くと心悸、不眠、心悸、健忘、心煩、咳嗽、吐血、夢精、心痛、胸引背痛
理気活血、寧心安神
心経の背兪穴  
BL16 督兪(とくゆ)
高盖
在第六椎下、両旁各寸半(資生) うつ伏せになり、第六胸椎棘突起下、霊台の外方1寸5分に取る。(注3) 僧帽筋、菱形筋、深層は最長筋 督は督脈を指す。本穴は督脈の気が注ぐところ。 心痛、腹痛、腹脹、腸鳴、しゃっくり
活血理気、調理胃腸
   
BL17 膈兪(かくゆ) 在第七椎下、両旁各一寸五分(甲乙) うつ伏せになり、第七胸椎棘突起下、至陽の外方1寸5分に取る。 僧帽筋下縁で広背筋、最長筋 膈は横隔膜のこと。本穴は横隔膜に位置する。 胃脘脹痛、嘔吐、しゃっくり、飲食不下、気喘、咳嗽、吐血、潮熱、盗汗、背痛、脊強
調理営血、理気降逆
血会、八会穴  
BL18 肝兪(かんゆ) 在第九椎下、両旁各一寸五分(甲乙) うつ伏せになり、第九胸椎棘突起下、筋縮の外方1寸5分に取る。 広背筋、最長筋と腸肋筋の間 肝は肝臓を指す。本穴は肝臓に相応し、肝気が注ぐところで、肝疾患重要腧穴 黄疸、脇痛、吐血、鼻血、目赤、目がはっきり見えない、眩暈、夜盲症、癲癇、うつ病で精神錯乱、脊背痛
疏肝利胆、明目通絡
肝経の背兪穴  
BL19 胆兪(たんゆ) 在第十椎下、両旁各一寸五分(甲乙) うつ伏せになり、第十胸椎棘突起下、中枢の外方1寸5分に取る。 広背筋、最長筋と腸肋筋の間 胆は胆襄を指す。本穴は胆襄に相応し、胆気が注ぐところで、胆疾患重要腧穴 黄疸、口苦、舌乾、咽痛、嘔吐、脇痛、飲食不下、肺結核、潮熱、腋下腫
章門治脇痛不得臥
※2 疏肝利胆、和胃降逆
胆経の背兪穴  
BL20 脾兪(ひゆ) 第十一椎下、両旁各一寸五分(甲乙) うつ伏せになり、第十一胸椎棘突下、脊中の外方1寸5分に取る。 広背筋、最長筋と腸肋筋の間 脾は脾臓を指す。本穴は脾臓に相応し、脾気が注ぐところで、脾疾患重要腧穴 脇痛、腹脹、黄疸、嘔吐、泄瀉、痢疾、血便、消化不良、水腫、背痛
健脾統血、和胃益気
脾経の背兪穴  
BL21 胃兪(いゆ) 在第十二椎下、両旁各一寸五分(甲乙) うつ伏せになり、第十二胸椎棘突起下、督脈の外方1寸5分に取る。 胸腰筋膜中、最長筋と腸肋筋の間 胃は胃腑を指す。本穴は胃に相応し、胃気が注ぐところで、胃疾患重要腧穴 胸脇痛、胃脘痛、腹脹、食後一定時間たつと吐く、嘔吐、腸鳴、消化不良
脾兪治腹痛不嗜食
健脾和胃、消食利湿
胃経の背兪穴  
BL22 三焦兪(さんしょうゆ) 在第十三椎下、両旁各一寸五分(甲乙) うつ伏せになり、第一腰椎棘突起下、懸枢の外方1寸5分に取る。 胸腰筋膜中、最長筋と腸肋筋の間 三焦は三焦腑を指す。本穴は三焦の気が注ぐところで、三焦疾患重要腧穴 腹脹、腸鳴、消化不良、嘔吐、腹瀉、痢疾、小便不利、水腫、肩背拘急、腰脊強痛
小腸兪下髎意舎章門治腸鳴腹脹
通利三焦、温陽化湿
三焦経の背兪穴  
BL23 腎兪(じんゆ) 在第十四椎下、両旁各一寸五分(甲乙) うつ伏せになり第二腰椎棘突起下、命門の外方1寸5分に取る。 胸腰筋膜で、最長筋と腸肋筋の間 腎は腎臓を指す。本穴は腎臓の気が注ぐところで、腎疾患重要腧穴 遺精、インポテンツ、遺尿、小便頻数、月経不順、白帯、腰膝痠痛、目昏、耳鳴、難聴、小便不利、水腫、未消化便、喘咳少気
委中太谿白環兪治腎虚腰痛
※4 益水壮火、明目聡耳
腎経の背兪穴  
BL24 気海兪(きかいゆ) 在第十五椎下、両旁各寸半(資生) うつ伏せになり、第三腰椎棘突起下、督脈の外方1寸5分に取る。(注4) 胸腰筋膜で、最長筋と腸肋筋の間 本穴は気海に相応する。人身の原気が注ぐところ。 腰痛、腿膝不利、月経痛、痔漏
理気活血、補腎壮腎
   
BL25 大腸兪(だいちょうゆ) 在第十六椎下、両旁各一寸五分(甲乙) うつ伏せになり、第四腰椎棘突起下、腰陽関の外方1寸5分に取る。 胸腰筋膜で、最長筋と腸肋筋の間 大腸は大腸腑を指す。本穴は大腸に相応し、大腸の気が注ぐところで、大腸疾患重要腧穴 腹痛、腹脹、腸鳴、泄瀉、便秘、痢疾、腰脊疼痛
次髎治大小便不利
調理腸胃
大腸経の背兪穴  
BL26 関元兪(かんげんゆ) 在第十七椎下、両旁各寸半(資生) うつ伏せになり第五腰椎棘突起下、督脈の外方1寸5分(注5) 仙棘靱帯 本穴は関元に相応し、人身の元気が注ぐところ。 腹脹、泄瀉、小便不利、遺尿、消渇、腰痛
膀胱兪治風労腰痛
培元固本、調理下焦
   
BL27 小腸兪(しょうちょうゆ) 在第十八椎下、両旁各一寸五分(甲乙) 第一仙骨孔と水平に、督脈の外方1寸5分、上後腸骨棘内縁と仙骨の陥凹中、うつ伏せになって取る。 後仙腸靱帯の起始部と大殿筋の起始部の間 小腸は小腸腑を指す。本穴は小腸に相応し、小腸の気が注ぐところで、小腸疾患重要腧穴 遺精、遺尿、血尿、白帯、小腹脹痛、泄瀉、痢疾、痔疾、少腹部から性器にかけての痛み、腰腿疼痛
清熱利湿、調理腸腑
小腸経の背兪穴  
BL28 膀胱兪(ぼうこうゆ) 在第十九椎下、両旁各一寸五分(甲乙) 第二仙骨孔と水平に、上後腸骨棘内縁と仙骨の陥凹中、督脈の外方1寸5分にうつ伏せになって取る。 後仙腸靱帯の起始部と大殿筋の起始部の間 膀胱は膀胱腑を指す。本穴は膀胱に相応し、膀胱の気が注ぐところで、膀胱疾患重要腧穴 小便赤渋、遺精、遺尿、腹痛泄瀉、便秘、腰脊強痛、膝足寒冷無力、女子の下腹部の腫塊、陰部が腫痛し瘡を形成、淋症
清熱利尿、培補下元
膀胱経の背兪穴  
BL29 中膂兪(ちゅうりょゆ)
中膂内兪、
脊内兪
在第二十椎下、両旁各一寸五分(甲乙) 第三仙骨孔と水平に、督脈の外方1寸5分にうつ伏せになって取る。 大殿筋、深層は仙結節靱帯の起始部 膂は膂筋とも呼ばれ、脊柱の両脇の筋肉を指す。隆起した筋肉の中にあるから。 痢疾、少腹部から性器にかけての痛み、腰脊強痛、消渇
調理下焦、強壮腰骶
   
BL30 白環兪(はくかんゆ) 在第二十一椎下、両旁各一寸五分(甲乙) 第四仙骨孔と水平に、督脈の外方1寸5分にうつ伏せになって取る。 大殿筋、仙結節靱帯の下内縁 人体蔵精のところを、白環と称する。穴は精室に相応し、人体精気が注ぐところ。環は玉などの貴重品、白は婦人の帯下や男性の精液を指し、男性器や婦人科の疾患を主治とする。 白帯、少腹部から性器にかけての痛み、遺精、月経不順、腰腿痛
調理下焦、通経活絡
   
BL31 上髎(じょうりょう) 在第一空、腰髁下一寸、侠脊陥者中(甲乙) うつ伏せになり、第一仙骨孔中に取る。 仙棘靱帯起始部および大殿筋起始部 髎は髎骨を指し、すなわち仙骨である。本穴は第一仙骨孔にある。 腰痛、月経不順、子宮脱、帯下、遺精、インポテンツ、大小便不利
調理下焦、清利湿熱
  足太陽、足少陽之絡
BL32 次髎(じりょう) 在第二空、侠脊陥者中(甲乙) うつ伏せになり、第二仙骨孔中に取る。 大殿筋起始部 髎は髎骨を指し、すなわち仙骨である。本穴は第二仙骨孔にある。 腰痛、月経不順、赤白帯下、月経痛、少腹部から性器にかけての痛み、小便赤渋、腰以下の足にかけての痺れと感覚異常
絶骨承筋治腰脊痛悪寒
調理下焦、清利湿熱
   
BL33 中髎(ちゅうりょう) 在第三空、侠脊陥者中(甲乙) うつ伏せになり、第三仙骨孔中に取る。 大殿筋起始部 髎は髎骨を指し、すなわち仙骨である。本穴は第三仙骨孔にある 月経不順、赤白帯下、腰痛、小便不利、便秘
調理下焦、清利湿熱
   
BL34 下髎(げりょう) 在第四空、侠脊陥者中(甲乙) うつ伏せになり、第四仙骨孔中に取る。 大殿筋起始部 髎は髎骨を指し、すなわち仙骨である。本穴は第四仙骨孔にある 小腹痛、腸鳴、泄瀉、便秘、小便不利、腰痛
調理下焦、清利湿熱
   
BL35 会陽(えよう) 在陰毛骨両旁(甲乙) 尾骨下端の両脇、督脈の外方5分に取る。 大殿筋起始部 会は会合の意味。本穴は足太陽と督脈の交会穴である。 帯下、インポテンツ、痢疾、泄瀉、血便、痔疾
清利湿熱、理気開陽
   
BL36 承扶(しょうふ)、
肉郄、
陰関、
皮部
尻殿下横紋中(千金方) うつ伏せになり殿部横紋真中に取る。 大殿筋下縁 承は受ける、扶は扶持の意味。本穴は、人体を受け、下肢を扶持し、下肢疾病を治す。 長期の痔、腰・仙骨・臀部・股関節の痛み、座骨神経痛
舒筋活絡、調理下焦
   
BL37 殷門(いんもん) 肉郄下六寸(甲乙) 承扶委中連線上、承扶の下6寸、うつ伏せになって取る。(注6)
(承扶委中14寸)
半腱様筋と大腿二等筋の間 殷は盛大の意味。本穴は肉が豊かに盛り上がって大きいところで、膀胱経の経気が出入りするところ。 腰脊強痛、不可俯仰、大腿疼痛、座骨神経痛
舒筋通絡、強腰健腿
   
BL38 浮郄(ふげき) 委陽上一寸、屈膝得之(甲乙) わずかに膝を屈し、膝窩の上方、大腿二頭筋の内側、委陽の上1寸に取る。 大腿二頭筋腱の内側 浮は上方を、郄は空隙を指す。本穴は委陽の1寸上にあり、大腿二頭筋腱内側の空隙にある。 臀部股関節の痺れ、膝窩筋のひきつり痙攣、膀胱炎
通筋活絡、舒筋利節
   
BL39 委陽(いよう) 膕中外廉両筋間(甲乙) 膝窩横紋の外側端、大腿二頭筋腱内縁、膝を屈して取る。 大腿二頭筋腱の内側 本穴は委中の外側にあり、委中と平行している。外側は陽に属す。 腰脊強痛、小腹脹満小便不利、、腿足拘攣疼痛、萎えて感覚がなくなったもの
殷門太白陰陵泉行間治腰痛不可俯仰
通利三焦、通経活絡
三焦経の下合穴  
BL40 委中(いちゅう)
血郄
在膕中央約紋中動脈(甲乙) 膝窩横紋の中央に当たり、大腿二頭筋腱と半腱様筋腱の中間、うつ伏せになって膝を屈して取る。 膝窩の正中線上、膝窩の筋膜 委は曲がる、中は中央を指す。本穴は膝窩横紋の中央にある。脊柱・腰の疾患を治療する要穴 腰痛、膝関節屈伸不利、膝窩筋痙攣、中風昏迷、半身不随、腹痛、吐瀉、寒熱往来、角弓半張、衄血不止、遺尿、排尿困難、自汗、盗汗、急激に広がる皮膚の発赤腫脹、疔瘡、発背、座骨神経痛
崑崙治背連腰痛
泄熱凉血、舒筋通絡
合土穴・四総穴・膀胱経の下合穴  
BL41 附分(ふぶん) 在第二椎下、肘項内廉両旁各三寸(甲乙) 第2胸椎の棘突起下と水平に、督脈の外方3寸の肩甲骨の内側縁、うつ伏せになって取る。 肩甲骨の内側縁で僧帽筋、菱形筋、深層は腸肋筋 附は傍ら、分は分支の意味。本穴は膀胱経背部第二線分支上にある。 肩背拘急、頸項強痛、肘臂痺れ感覚異常
舒筋活絡、散寒止痛
  手太陽・足太陽之会
BL42 魄戸(はくこ) 在第三椎下、両旁各三寸(甲乙) 第3胸椎の棘突起下と水平に、身柱の外方3寸、肩甲骨の内側縁、うつ伏せになって取る。 肩甲骨の内縁で僧帽筋、菱形筋、深層は腸肋筋 本穴は肺兪のかたわらにあり、肺は魄を蔵す。 肺結核、咳嗽、気喘、項強、肩背痛
宣肺理気、止咳平喘
   
BL43 膏肓兪(こうこうゆ) 在第四椎下、両旁各三寸(銅人) 第4胸椎の棘突起下と水平に、督脈の外方3寸、肩甲骨内側縁、うつ伏せになって取る。 肩甲骨の内縁で僧帽筋、菱形筋、深層は腸肋筋 心の下は膏であり、心の下膈の上は肓である。本穴は心膈の間にあり、膏脂を為し、肓膜の気が注ぐところ。疾患は肓の上膏の下にあり、鍼ではなく灸すれば効き目がある。 肺結核、咳嗽、気喘、吐血、盗汗、健忘、遺精、消化不良、肩胛背痛
益気補虚、調理肺気
   
BL44 神堂(しんどう) 在第五椎下、両旁各三寸陥者中(甲乙) 第5胸椎の棘突起下と水平に、神道の外方3寸、肩甲骨の内側縁、うつ伏せになって取る。 肩甲骨の内側縁で僧帽筋、菱形筋、深層は腸肋筋 心兪のかたわらにあり、心に相応する。心は神を蔵す。 咳嗽、気喘、胸腹満、肩痛、脊背急痛
寧心安神、通経活絡
   
BL45 譩譆(いき) 在肩膊内廉、侠第六椎下、両旁各三寸(甲乙) 第6胸椎棘突起下と水平に、霊台の外方3寸、肩甲骨の内側縁に取る。 僧帽筋の外縁、腸肋筋 譩譆はため息を指す。指で経穴を押さえて患者にあーとため息をつかせて手にびくっと反応があった所。 咳嗽、気喘、肩背痛、季肋から少腹にかけて痛む、目眩、鼻血、寒熱往来、熱病汗不出
活血通絡、止咳平喘
   
BL46 膈関(かくかん) 在第七椎下、両旁各三寸陥者中(甲乙) 第7胸椎棘突起下と水平に、至陽の外方3寸、肩甲骨の内側縁に取る。 広背筋、腸肋筋 膈兪のかたわらにあり、横隔膜に相応する。横隔疾患の要穴 飲食不下、嘔吐、げっぷ、胸中の痞え、脊背強痛
和胃降逆、理気通絡
   
BL47 魂門(こんもん) 在第九椎下、両旁各三寸陥者中(甲乙) 第9胸椎棘突起下と水平に、筋縮の外方3寸に取る。 広背筋、腸肋筋 肝兪のかたわらにあり、肝に相応する。肝は魂を蔵す。 胸脇脹痛、背痛、飲食不下、嘔吐、腸鳴泄瀉
疏肝理気、健脾和胃
   
BL48 陽綱(ようこう) 在第十椎下、両旁各三寸陥者中(甲乙) 第10胸椎棘突起下と水平に、中枢の外方3寸に取る。 広背筋、腸肋筋 陽は陽気、綱は統括する。胆兪のかたわらにあり、胆は中正の官、決断出ず。少陽の気が発するところで、陽気を統括する。 腸鳴、腹痛、泄瀉、黄疸、消渇
清熱利胆、和中化滞
   
BL49 意舎(いしゃ) 在第十一椎下、両旁各三寸陥者中(甲乙) 第11胸椎棘突起下と水平に、脊柱の外方3寸に取る。 広背筋、腸肋筋 脾兪のかたわらにあり、脾に相応する。脾は意を蔵し、主治は脾疾患。 腹脹、腸鳴、泄瀉、嘔吐、飲食不下
健脾和胃、清熱利湿
   
BL50 胃倉(いそう) 在第十二椎下、両旁各三寸陥者中(甲乙) 第12胸椎棘突起下と水平に、督脈の外方3寸に取る。 広背筋、腸肋筋 胃兪のかたわらにあり、胃に相応する。胃は倉廩の官で、主治は胃疾患。 腹脹、胃脘痛、水腫、小児の消化不良、脊背痛
意舎膈関治食飲不下
理気和胃、理気通絡
   
BL51 肓門(こうもん) 在第十三椎下、両旁各三寸陥者中(甲乙) 第1腰椎棘突起下と水平に、懸枢の外方3寸に取る。 広背筋、腸肋筋 肓は肓膜のこと。本穴は、三焦兪のかたわらにあり、三焦は陽気の父である。陽気は肓膜をいぶす。三焦の気が出入りする門戸。 上腹痛、痞塊、便秘、婦人の乳房疾患
理気和胃、化滞消痞
   
BL52 志室(ししつ)
精宮
在第十四椎下、両旁各三寸陥者中(甲乙) 第2腰椎棘突起下と水平に、命門の外方3寸に取る。 広背筋、腸肋筋 腎兪のかたわらにあり、腎に相応する。腎は志を蔵す。本穴は腎気が留まる住処であり、腎疾患を主治とする。 遺精、インポテンツ、陰部腫痛、小便渋り、水腫、腰脊強痛
補腎益精、清熱利湿
   
BL53 胞肓(ほうこう) 在第十九椎下、両旁各三寸陥者中(甲乙) 第2仙骨孔と水平に、督脈の外方3寸に取る。 大殿筋、中殿筋、小殿筋 胞は膀胱、肓は膀胱の脂膜を指す。本穴は、膀胱兪のかたわらにあり、膀胱に相応し、膀胱の疾患を主治とする。 腸鳴、腹脹、腰脊痛、大小便不利、陰部腫脹
舒筋活絡、調理二便
   
BL54 秩辺(ちっぺん) 在第二十一椎下、両旁各三寸陥者中(甲乙) 胞肓直下、仙骨裂孔の外方3寸にうつ伏せになって取る。(注7) 大殿筋、梨状筋の下縁 秩は秩序、辺はそばの意味。本穴は、足太陽膀胱経背部穴第二線の最後の一穴。 腰部・仙骨部痛、下肢痿痺、大小便不利、陰部痛、痔疾
舒筋通絡、強腰健膝
   
BL55 合陽(ごうよう) 在膝約紋中央下二寸(甲乙) 委中直下2寸で委中承山の連線上に取る。(注8) 腓腹筋の二頭の間 合は会合、陽は下肢後側を指す。本穴は下肢後側の正中にあり、足太陽の合穴の下にある。 腰脊痛引腹、下肢痠痛、麻痺、崩漏、少腹部から性器にかけての痛み
舒筋通絡、補腎調経
   
BL56 承筋(しょうきん)
直腸、
腨腸
在腨腸中央陥者中(甲乙) 合陽承山の間、腓腹筋の筋腹中央に取る。 腓腹筋の両筋腹の間 承は受ける、筋は腓腹筋を指す。本穴は腓腹筋腹中にあり、膝の後ろで膝を両筋がかかえているようである。 小腿痛、膝痠重、腰背拘急、痔疾、ジフテリアの転筋
舒筋通絡、通調調腑
   
BL57 承山(しょうざん)、
魚腹、
肉柱
在兌腨腸下分肉陥者中(甲乙) 腓腹筋筋腹の下、下腿を伸展したとき、筋腹の下に出現する筋の割れ目に取る。 腓腹筋の両側の筋腹の会うところの下端 承は受ける、山は山路を指す。本穴は腓腹筋両筋腹が分岐した下端の陥凹にある。その形は山谷のうようである。 腰背病、下肢痛こむら返り、痔疾、便秘、脚気、鼻血、癲癇、少腹部から性器にかけての痛み、腹痛
舒筋通絡、調理腸腑(入肛門)
   
BL58 飛陽(ひよう)
飛揚、
厥陽
在足外踝上七寸(甲乙) 承山下方、崑崙の上7寸に取る。 腓腹筋とヒラメ筋の間 本穴は足太陽の絡であり、足少陰経に飛び上がっていく。また飛には意外なという意もあり、本穴は足の少陰腎経に突然流れを速めて行くことから。 頭重、目眩、鼻づまり、鼻血、腰背痛、腿軟無力、痔・陰部痛、うつ病で精神錯乱
委中承扶治痔疾
舒筋活絡、清熱消腫
絡穴  
BL59 跗陽(ふよう) 在足外踝上三寸(甲乙) 外踝の後方、崑崙直上3寸に取る。 腓骨後方、アキレス腱の前縁、深層は長母指伸筋 跗は跗属部、陽は跗の上に属すの意味。本穴は崑崙の上3寸にあり、またに跗属部上方にあたる。 頭重、頭痛、腰腿痛、下肢の偏麻痺、外踝紅腫
通経活絡、消腫止痛
陽蹻の郄  
BL60 崑崙(こんろん) 在足外踝後、跟骨上陥者中(甲乙) アキレス腱と外踝の間、陥凹部に取る。 短腓骨筋 崑崙は山の名前。外踝の骨を崑崙山にたとえている。本穴は外踝高点の後ろにある。体の高いところにある。頭部の疾患を主治としている。 頭痛、項強、目眩、鼻血、寒熱往来、肩背拘急、腰痛、脚跟痛、小児の癲癇、難産
曲泉飛揚前谷少沢通里治頭眩痛
舒筋活絡、清利頭目
経火穴  
BL61 僕参(ぼくしん)
安邪
在跟骨下陥者中、拱足得之(甲乙) 外踝の後下方、崑崙直下、踵の陥凹するところ、表裏の膚目に取る。 腓骨動静脈の踵骨外側枝 僕はしもべ、参は参拝するの意味。腰痛で腰が起こせない状態を治す特効穴で、主人に対ししもべが膝を曲げ体を前かがみに湾曲させる動作が似ていることから。 下肢痿弱、足跟痛、ジフテリアによる筋のひきつり、癲癇、脚気膝腫
舒筋活絡、消腫止痛
  足太陽、陽蹻之所会
BL62 申脈(しんみゃく) 在足外踝下陥者中、在爪甲許(甲乙) 外踝の真下陥凹中に取る。 外果動脈網 申は通伸、脈は陽蹻脈を指す。本穴は陽蹻脈を通し、生じる所。 癲癇、うつ病で精神錯乱、頭痛、眩暈、不眠、腰痛、足脛寒、不能久立座、目赤痛、項強
舒筋活絡、安神定志
八総穴 陽蹻脈の宗穴
BL63 金門(きんもん)
関梁、
梁関
在足外踝下(甲乙) 申脈の前下方、外側陥凹中に取る。(注9) 長腓骨筋腱と小指外転筋の間 金は貴重なもののたとえ、門は足太陽の気血が注ぐ門戸のこと。 癲癇、小児のひきつけ、腰痛、外踝痛、下肢痺痛
僕参承山承筋治筋肉痙攣
舒筋活絡、醒脳安神
郄穴 陽維所別属也
BL64 京骨(けいこつ) 在足外踝大骨下、赤白肉際陥者中(甲乙) 足背の外側、第5中足骨、骨粗面下方、表裏の膚目に取る。 小指外転筋の下方 京は大きいこと。本穴は足外側の大骨、すなわち第5中足骨、骨粗面下方。この大骨を京骨という。 癲癇、頭痛、目翳、項強、腰腿疼痛、膝痛脚攣
然谷腎兪治足寒、配承山承筋治脚攣
清利頭目、寧心安神、舒筋活絡
原穴  
BL65 束骨(そっこつ) 在足小指外側、本節後陥者中(甲乙) 足背の外側、第5中足骨の骨頭部の後下方、表裏の膚目に取る。 小指外転筋の下方 小趾の基節骨を束骨という。 うつ病で精神錯乱、頭痛、項強、目眩、腰背痛、下肢後側痛
清利頭目、舒筋活絡
兪木穴  
BL66 足通谷(あしつうこく) 在足小指外側、本節前陥者中(甲乙) 第5中足指節関節の前下方陥凹部、表裏の膚目に取る。 底側指動静脈 通は通過、谷は陥凹の意味。本穴は陥凹の形が山谷のようで、太陽経脈はここで通過し足少陰然谷にいく。栄穴は脈気が通り過ぎる所。 頭痛、項痛、目眩、鼻血、うつ病で精神錯乱
舒筋通絡、安神益智
栄水穴  
BL67 至陰(しいん) 在足小指外側、去爪甲如韮葉(甲乙) 足小指外側、爪甲の角を去ること1分に取る。 背側指動脈および足の固有底側指動脈の形成する動脈網 至は到達、陰は足少陰の意味。本穴は足太陽の脈気が足少陰と交わり至るところ。 頭痛、鼻づまり、鼻血、目痛、足裏の熱、産後胎盤が降りない、逆子、難産
転胞胎、催胎産、清頭目、通経絡
井金穴  

「経穴概論」教科書小委員会著では
(注1)晴明(BL1):内眼角の内方1分、鼻根との間に取る。
(注2)眉衝(BL3):奇穴。
(注3)督兪(BL16):奇穴。
(注4)気海兪(BL24):奇穴。
(注5)関元兪(BL26):奇穴。
(注6)殷門(BL37):後大腿部のほぼ中央、承扶委中を結ぶ線のほぼ中央に取る。
(注7)秩辺(BL54):第3正中仙骨稜の外方、3寸に取る。
(注8)合陽(BL55)委中の直下3寸に取る。
(注9)金門(BL63)申脈の前下方、踵立方関節の外側陥凹部に取る。

※1 穴位主治鑑別表
穴名 共同性 特殊性
風門 解表 袪風解表宣肺
大椎 解表退熱、治項背之表邪
合谷 袪風疏衛清熱解表、宣肺、清肺
曲池 袪風解表、瀉大腸之熱
外関 清熱解表、兼清上焦之熱
列缺 疏衛解表、宣肺、止咳、平喘
風池 頭面部の風熱表邪
※2 穴位主治鑑別表
穴名 共同性 特殊性
陽陵泉 治胆病要穴 偏于治療胆腑病
胆兪 偏于治療胆腑病、胆経病
丘墟 偏于治療胆経病
※3 穴位主治鑑別表
穴名 共同性 特殊性
章門 治脾病 瀉多補少、治療肝胆、脾胃、胸肋病変和脇下痞塊
脾兪 補多瀉少、治療脾臓虚弱病変及背部疾患
※4 穴位主治鑑別表
穴名 共同性 特殊性
中極 利小便 増気化、昇水道以利小便
腎兪 補腎気而利小便
陰陵泉 助運化、利水湿而利水便
関元 補元陽而利小便
中極 治水要穴 偏于治下焦水病
水分 偏于治中焦水病

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