« 2005年12月 | メイン | 2006年02月 »

2006年01月31日

トックおじさんが売り込んでいた天神純気丸

ドラマ「チャングム」の中で、トックおじさんが、兵士たちに一生懸命売り込んでいた偽の天神純気丸。

十尋の高さの滝を遡るという、竜になった鯉の胆嚢
破裂することはあっても、曲がることは絶対にない精力の化身、まむし
寒い冬を耐え抜いて大輪の花を咲かせるという椿の粉
満月の夜に休まず交尾をし続けるというオットセイの生殖器
朝鮮に代々伝わる神秘の名薬、紅参(ホンサム)の粉
これらすべての薬剤を覆盆子(ポクプンジャ)、枸杞子(クギジャ)、莵絲子(トサジャ)と合わせて、糖蜜をまぶして丸薬にする。

という、うたい文句でしたが、

その実、龍になった鯉ではなくただの鯉、オットセイではなくカエルの下半身を干したもの、マムシの粉ではなく大豆の粉、それに甘草(カムチョ)、陳皮、五味子(オミジャ)を加えて水飴で丸めたもの、でした。

精力がつくというので、兵士たちは群がっていたのですが....
甘草、陳皮、五味子が入っているのなら、精神を安定させ気を増やして巡らせる効果もあるでしょうが、とても精力のつくという内容ではありません。

『精』は生命エネルギーの根本をなすもので、腎が貯蔵すると考えられており、『気』の元であり、生殖のためのエネルギーでもあります。
以臓補臓(たとえば、肝が悪ければ動物のレバーを、関節が悪ければ動物の骨髄の部分を食べることによって不足しているものを補う)の考え方からすれば、龍になった鯉がいればその胆嚢、そしてオットセイの生殖器を食すということは足りないものを補うことになるのです。
胆は、中国の古典黄帝内経では「中正之官、決断出ず」とたとえています。
中立の立場で他の臓腑を見て、臓腑活動の行動を決断するので、落ち着きはらって大胆な者を豪胆とかいったりしますよね。(ちなみに、肝は『将軍の官』です。)

紅参は高麗人参を蒸してから乾燥させたもの、覆盆子(ふくぼんし)、莵絲子(としし)は腎陰を補うのでインポテンツに、枸杞子(くこし)も肝腎を補い遺精の改善に役立ちますので、トックおじさんのキャッチフレーズどおりなら、恐ろしく精力絶倫になる処方だったわけです。

「天神純気丸」て、この名前で本当にあるのでしょうか。

2006年01月30日

キンモクセイ、ジャスミン、バラのお茶(三花飲)

三花飲ポット入り三花飲桂花(キンモクセイ)、茉莉花(ジャスミン)、玫塊花(マイカイカ、ハマナスの花)に烏龍茶をプラスしたお茶です。
全部同量でいれてみました。
お味は、複雑で、キンモクセイの香りと味がすると思うと、それが通りすぎた後にジャスミン、そしてほのかにバラの香りと味がやって来るといった感じです。
キンモクセイは小さく浮かんでいるので、最初に味を感じやすいけれど、次はジャスミン、そしてバラが来るのです。
時間が少したつと、また一番最初に感じる味が変わってきます。
それぞれの個性がわからずに、相殺されてミックスされていると感じるときもあるので、どれか一種類だけを味わうには、桂花烏龍とかジャスミン茶とかにしたほうがよろしいかと。

桂花は「中国百薬之王」という記載があり、別名は『九里香』、辛味をもち温性で、体の中を潤し咳を止め、痰をとり、鎮痛効果があり、気が逆に行かないよう正しい方向に巡らせる働きがあります。

茉莉花(ジャスミン)は、甘味でやはり温性をもち、胃痛を緩和し、下痢の腹痛、腫物、憂鬱をとりさりますが、特に精神を安定させる効果に優れています。

そしてバラの花(玫塊花)も精神を安定させる効果が高いものです。
芳香の高いものは、自律神経を安定させる効果を発揮するものが多いですね。
特に、憂鬱になりやすい女性にとって、好きな香りを嗅いで、リラックスできるのはなによりです。

嗅覚は、五感の中で最も原始的な感覚器官といわれます。
肺は被毛をつかさどり、目・舌・口・鼻・耳の中では鼻に関係しています。
生理的に嫌いな匂いはどうやっても克服できないし、人と合わないときには肌が合わないといったりします。
原始的なものだから、自分では調整できない自律神経に働きかけることができるのかもしれませんね。

深ーく、長い呼吸をすることで、自律神経を安定させられることと、なんだかつながりませんか。

2006年01月27日

麦門冬(バクモンドウ)と黄耆(オウギ)のお茶

麦門冬と黄耆麦門冬と黄耆、それに炙甘草(シャカンゾウ)を加えたお茶です。といっても、写真はその材料ですが。
それぞれの材料10gずつを250ccの水で30分煎じました。

麦門冬は肺を潤し、さらには胃も潤してくれます。
もし、胃に津液(しんえき、体に必要な水分)が不足すると乾燥してしまい、胃の気は下降しなければならないのに、上に上がっていき肺気を押し上げ、咳になったりします。
そして、加えた黄耆は気を補い、甘草はさらにそれらを手助けしてパワーアップさせる組み合わせです。

炙甘草は、えぐみが出そうだと、ひやひやしながら煎じましたが、途中は香ばしい良い香りがしていました。
でも、飲んでみると、やっぱり背中がゾクゾクしてくるような口にまとわりつく味。

黄耆は割とおいしいといえるし、麦門冬と人参、五味子の生脈飲茶(しょうみゃくいんちゃ)はそれほどまずいと思わないから、このまずさは炙甘草のせいです。
炙甘草は、蜜を入れながら甘草を炒って炮製することにより、脾胃を補い気を増す効果を強めたもの。
しかし、まずくて私にはいつも苦痛だから、今度、炮製していない甘草を売っていないか薬局で聞いてみよう。

お茶の状態の写真を撮り忘れました。
麦門冬は乾燥しているときはしなびてシワシワしているのに、水分を含むと、途端に張り切った太いもやしのようになるところが、いつ見てもおもしろいです。

2006年01月26日

杏仁と蜂蜜のお茶

杏仁蜂蜜茶材料杏仁蜂蜜茶咳を鎮めて潤いをもたらしてくれるお茶です。
杏仁は、あんずの種で、漢方薬局で売られているのは、北杏とも呼ばれる苦杏仁で、杏仁豆腐によく使われているのは甜杏仁(てんきょうにん)、南の地方でとれるので南杏ともいわれます。
ちなみに、杏仁豆腐の作り方としては、私は半々に使うのが好きです。


苦杏仁も甜杏仁も咳を鎮める効果がありますが、苦杏仁のほうがより力が強いので、薬として使われているのでしょうね。
腸のすべりを良くする効果もあるので、風邪ひいて、お通じもないなんてときにはぴったりです。
風寒の場合は温める桂枝などと、風熱の場合は熱をさます菊花などと、燥の場合はこの場合のように蜂蜜などの潤うものといっしょに使うとパワーアップします。
写真はもちろん苦杏仁で、最初から砕かれて煎じやすくなっています。

皮を剥いたものも売られているようですが、中国では乾燥する季節になるとポケットに苦杏仁の袋を入れて、それをポリポリ食べる人も結構いると、授業のときに先生がおっしゃっていましたっけ。

この皮つきを杏仁豆腐にしてみようとチャレンジしたことがあります(どうせ汁を絞るのだから問題なかろうと思った)が、渋みが残っておいしい杏仁豆腐とは無縁でした。

杏仁と蜂蜜のお茶の作り方は、先に杏仁を軽く一掴みぐらいを500mlの水を入れて30分ぐらい煎じたものに、蜂蜜を適量加えればオーケーです。
なお、苦杏仁は小毒があるので多量には使わないよう、子供には慎重に用いるべきと、ご注意書きがあります。

2006年01月25日

枸杞(くこ)と橘皮(きっぴ)のお茶

枸杞橘皮茶材料枸杞橘皮茶風邪は、悪寒は収まったけれど、やはり咳が出てきました。
いつもの風邪に比べれば、咳の具合が多少は軽いとはいえ、薄い痰がポッ、ポッと出てきます。
黄色くないから内熱の状態にはなっていませんが、咳にならずにすんでくれればよかったのに、寒邪に正気が負けてしまったか、という感じです。
私は、もともと喘息を持病で持っているので、すぐ咳の症状が出やすいのです。

背中がこわばっているので、続けて葛根湯は飲み(風邪薬がそれしか家になかった)、手助けとして、潤いをもたらし痰を出しやすくする枸杞橘皮のお茶にしました。

橘皮とは耳慣れないことばかもしれませんが、橘もしくはウンシュウミカンの皮です。
陳皮のほうが一般的に聞かれるかもしれません。
生薬名は橘皮(きっぴ)で漢方薬局などで販売されており、陳皮というとかなり古くて皮の色も黒ずんだものになります。陳という字は古いという意味があります。

枸杞は補陰薬で、 肺を潤すことができます。乾燥していると喉や肺を傷めてしまいますものね。

作り方は、枸杞と橘皮をそれぞれ二〜三つまみぐらいを水500ccから5分煎じればオーケーです。
このお茶でくつろぎながら、ちょっと様子見です。

枸杞陳皮茶は、お茶の本に掲載されていたものですが、考えたら補陰の枸杞と燥湿の陳皮を一緒にしたら、潤いをもたらすほうが勝つのか、乾燥させて湿をとるほうが勝つのか、どっちなんでしょう。
方剤にも相対する性質のものを組み合わせる場合がありますが、枸杞と陳皮って力はどちらが強いのか。

また、一般的には、感冒は風寒と風熱におおまかに分けていますが、湿や燥を挟む場合もあり、風寒湿、風寒燥、風熱燥、風熱湿(暑湿)に分類されます。
これらは実の場合で、体が虚(不足)して起きる感冒もあります。

ですから、風寒型の感冒だと思っていても、それが燥によるものか湿によるものかによって、選ぶ食材は変わって来るわけです。
冬は乾燥の季節(雪国や沖縄は違うかもしれません)、発汗しすぎると体の中の水分が不必要に失われてしまうので、寒邪を追い出せたけれど咳が残ってしまったなんてときは、発汗させる生姜やネギ、桂枝など解表(発汗させること)は止めて、体の中に潤いをもたらし、痰をきって咳を止める食材をとる必要があります。

2006年01月24日

玫塊普洱茶(マイカイプーアール茶)

マイカイプーアール茶昨日の風邪は、紫蘇生姜茶が効いたようで、何とかひどい咳にならずにすんでいます。
やっぱり痰をとることって大切なんですね。
考えたら咳は痰がどこかにひっかかっているから、出てくる体の防衛反応なんですよね。


今日はマイカイプーアール茶、バラ+プーアール茶です。見るだけでも、綺麗な色でしょう?
菊花プーアールとは違い、玫塊花(マイカイカ)、つまりハナナスの花を入れているので、滞っている気をめぐらせ、血液をサラサラにする効果があります。

香りがとても強いので、菊花プーアール茶を飲める方でも、マイカイプーアールは飲めない人もいるかもしれません。
特に男性はローズティーやアンズティーなど、好まない方が多いようで、そういう方にとっては体によいといっても無理というものでしょう。

反対に、女性は香りが良いものを好む傾向にあるようです。
特にバラの香りは、華やかでいっとき現実世界を忘れさせてくれるような気分を味わえます。
イライラしたりすると肝に気が鬱滞しやすくなりますが、女性の方がその傾向は強そうです。
だから、女性の好む香りは、そんな効果を持つものが多いのかもしれませんね。

2006年01月23日

風寒型の風邪によい紫蘇生姜茶

紫蘇生姜紫蘇茶雪の日によもぎ蒸しに行き、帰って来て駐車場に車を入れようとしたら、積もっている雪で車がスタックしてしまいました。
脚で車の行く手を塞いでいる雪をどかし、何とか車は駐車させることができました。

そのことを夫に言うと、そのままにしていて凍っちゃうとたいへんだから雪かきをすると言い出しました。
一人で雪かきさせては時間がかかると、何の気なしに私も手伝うことにしました。
雪が頭に降り積もらないように帽子を被り、雪が体にかかっても滑り落ちていく服を着て。

しかし、部屋に戻ってからは、くしゃみの連発です。
よもぎ蒸しの後に冷えてしまい、湯冷め状態になったからのようです。
昨夜は悪寒がして、寒くてなかなか寝つけませんでした。

どうやら、風寒型の風邪をひいてしまったようです。
風邪の型は風寒と風熱、暑湿があります。
暑湿は夏風邪なので、冬にひく風邪としては風寒か風熱です。
水っぱなが出て、ゾクゾクと寒気がつよいのは風寒型、黄色い痰が出て喉が痛んで腫れるのは風熱型の風邪です。
寒か熱なのですから、これを間違えると風邪は治らないどころか悪化してしまいますからご用心。

風寒型の風邪は辛味を持ち、体を温めてくれ、風邪(ふうじゃ)を外に追い出してくれる辛凉解表のものがよい。
ということで、紫蘇と生姜のお茶で痰を出やすくすることにより、咳を止める効果を期待します。
紫蘇といっても薬効効果が強いのは紫のシソ、そう梅干しに漬けるときにつかうものです。
漢方薬局に行くと「蘇葉」として売っていますので、風邪対策に常備しておくのもいいかもしれません。

もちろん、風寒型の風邪に効く葛根湯も飲み、なおかつお茶としてさらに対策をとろうという作戦なのです。
このお茶をいただいた後は、体が温かくなりうっすらと汗が出てきました。
この汗とともに風邪(ふうじゃ)が外に出ていってくれるとよいのですが。

作り方は、ひとつかみの紫蘇に1リットルの水を入れて、5分ぐらい煎じれば紫蘇茶のできあがり。
私は、それに生姜の汁と麦芽糖を合わせたものを作り置きしているので、二つを合わせました。
簡単な作り方としては、生姜スライスと紫蘇各3gに、熱湯300ccを加えて10分置くというものもあります。

2006年01月22日

花梨(かりん)酒

花梨酒花梨は生でその辺にころがしていると、とっても良い匂いを放ちます。
お酒にする前に黄色く熟すまで、ほおっておいた花梨は辺りにバラ科特有の甘い香りを漂わせていました。

それをお酒にしたのが、もう飲み頃です。
味はうすい梅酒といった感がありますが、梅酒とは別の良い香りがいたします。
例によって、お酒は黒砂糖のお酒を使っているので、ばっちりおいしくない訳がありません。
でもね、味だけでいえば梅酒が最高です。

花梨の性は寒、味は苦で、咳を鎮め、鎮痛効果があり、疲労回復の働きがあります。
冬の季節、温まるし風邪対策によいですね。
しかし、アレルギーの咳にはアルコールはよろしくないです。
よけいに咳き込んだりしますから、ご用心を。

2006年01月20日

薬草園でのキバナオウギ

薬草園でチャングムはキバナオウギを育てようとします。
それに対し、そこで働いていたパジがキバナオウギを説明します。
「キバナオウギというのは上・中・下焦、また体の外と内すべてに良いから...
どんな漢方薬にも使われる薬剤なんですよ。昔、苦参をキバナオウギと間違えて煎じ薬に入れてたんです。
でも先代王朝時代、明国を訪れた使者が、苦参はキバナオウギとは違うというもんで...」

黄耆(おうぎ)も苦参(くじん)もマメ科なので、似ていて間違えるんですね。
しかし、黄耆が高麗人参に匹敵するくらい気を補うものとして有名なのに対して、苦参は別名クララ、湿熱による黄疸や下痢に使われるものです。
便秘の人や冷え性の人が飲んだら、さらに具合が悪くなっただろうと想像しちゃいます。

上・中・下焦というのは、肺や心臓(上焦)、脾胃(中焦)、肝、腎(下焦)と、五臓のすべてによいという意味ですが、選択的に働く帰経は脾経と肺経ということになっています。
外にも内にもよいというのは、体表のむやみな汗を止め、利水効果もあることをいっているのかな。

黄耆の煎じた汁は、まずくはありません。
味噌汁などのスープ系にだしをとるときに一緒に入れると、味に深みが出ておいしくなります。
なつめ茶なども単味だとあまりおいしくないと思えても、黄耆を加えるとおいしくなっちゃうので不思議です。

2006年01月19日

チャングムが薬草園で見つけた白菜

無断で宮廷の外に出てしまった結果、薬草園勤務という閑職に追いやられてしまったチャングム。
薬草園にいる者たちは、皆、やる気がなくゴロゴロしています。
あまりに、やる気のないウンベクを見て、

「そこの雑草抜きなさい!」

というチャングムに対し、薬草を抜いてしまうウンベク。

チャングム「これは柴胡(シホ、さいこ)よ。これは何首烏(ハスオ、かしゅう)、これは石蒜(ソクサン、彼岸花)、そしてこれは...」

ウンベク「それは、某(スン、白菜)だ。内火上汁(ネファサンジュブ、内蔵に熱がこもる)によく効くんだ。頭をすっきりさせ、便秘にもいい。特に二日酔いの喉の乾きをいやすには最高だ。」

16世紀のこの時代、白菜は薬草だったんですね。
日頃、宅配で白菜が来ると、けっこうジャケンにしているので、反省。。。
毎週、大物野菜が来ると、冷蔵庫が満杯で、つい、野菜をたくさん食すために頼んでいるのを忘れてしまいます。

白菜が体にどのような効き目があるのかを最初に書物に書き表したのは「忽思慧」で、『飲膳正要』に載っています。
飲膳正要は、薬ではなく、初めて日常的な食物のはたらきを記載した書物で、薬膳の原典といわれています。
この飲膳正要の中には、肉といったらやたらと羊肉が出て来るので、私も友だちも不思議に思っていました。
授業のときに、先生から 『元』 の時代のもの、といわれた瞬間、ハッと気づいたんです。
元といったらモンゴル、ジンギスカーンの時代のこと、羊を日常的に食べていたはずです。

その飲膳正要によると、

白菜の五味は甘で、四気は平、
胃・腸・肝・腎・膀胱に帰経(選択的にこれらの経絡に働くということです)し、清熱除煩、通利腸胃、利尿

の働きがあると書かれています。
イライラして体に熱がこもっている者の熱を冷まし、胃腸の調子を調え、利尿効果があるということですね。
現代人にとっては、積極的に摂った方がよい野菜といえるかもしれません。

2006年01月18日

チャングムが切っていた緑豆寒天

ハン尚宮「なんと。。。こんな不揃いなものを殿下にお出しするつもり?見た目もそうだけど、これでは味にむらができてしまう。」

この後、ハン尚宮はムクの両側に箸を置き、箸の上に包丁をすべらせて、均一に切り、チャングムにお手本をみせてくれます。

チャングムが切っていたムクとは、ドングリや蕎麦、緑豆などの粉をゼリー状に固めたものだそうですが、ドラマでは『タンピョンチェ』という緑豆寒天と野菜の和え物になります。
タンピョン(蕩平)とは偏りがなく平等という意味だそうですが、タンピョンチェの季節は春で、青、赤、黄、白、黒の五色の食材がすべて揃い、味や食感に偏りがないという意味が込められているそうです。
材料は、緑豆寒天、牛肉、芹、緑豆もやし、卵、糸唐辛子、海苔で五色を彩ります。

五色の材料を煮て串で刺した山海の幸の串焼きや、五色の野菜とともにいただくニベの煮物など、宮廷料理には五という数字がよく出てきます。
『コミョン』という料理の仕上げの装飾に使われる食材も、陰陽五行の考えから、青(緑)、赤、黄、白、黒の五色の食材を使うことが基本とされているそうです。(例:玉子焼き白身と黄身を分けて焼く、銀杏、胡桃、ナツメ、松の実、糸唐辛子など。)
宮廷菓子も、松の実、生姜、ナツメなど体に良い食材を使い、五味五色が取り入れられているそうです。

緑豆寒天は、中国料理でも使われています。
緑豆に水を合わせミキサーにかけたものを、流し箱に薄く注いでそれを湯に乗せ、しばらくしてから湯に沈めます。
葛切りと同じ作り方ですね。

このペラッとしたものを細切りにして、胡麻和えなどにします。
こちらは最初から薄いので、ムクのようにスライスする必要はありませんが、何枚も作らなければなりません。
作りたてでないと水分が出てきて味がうすくなり、おいしくありません。

2006年01月17日

春雨の和え物

春雨の和え物

韓国の宮廷料理は、五行(木火土金水)にそれぞれあてはまる(青赤黄白黒)を意識して、これらの五つの色を入れた料理がよく作られていたようです。
それで、五色を意識して入れてみるとどうなるかと思い、作ったみたのがこの春雨の和物です。
チァプチェの部類に入るんでしょうか。

五色 材料 五味 四気 効能
青(緑) わかめ 消痰散結、利水消腫
枸杞 滋補肝腎、明目、潤肺
滋陰潤燥、養心安神
春雨 清熱解毒、消暑
黒胡麻 補益精血、潤燥滑腸

春雨は緑豆の性味や働きを記述しています。
暑いときに食べるには良い食品だけれど、冬はあまりよくないのを知りつつ、少量だからいいかと入れてしまいました。
五色使うと、気、血、水、いろいろなところに効きそうですね。

酸味に使用したのは、『柿酢』です。
柿を醗酵させて作ったものです。
チャングムのお母さんと若き日のハン尚宮が、どちらかが最高尚宮になったときに使うと約束して、土の中に大事に埋めておいたのも、柿酢でしたね。
米酢に比べると、リンゴ、ブドウなど果実酢は一般的にマイルドですが、この柿酢も非常に口あたりが柔らかいです。
ドラマでは、チャングムが競合試合のときに、やはりオスクチェ(魚と茹でた野菜の和え物)に柿酢を使っていました。

2006年01月16日

菊花普洱茶(キッカプーアール茶)

菊花プーアール茶 中国の清の時代の『本草綱目拾遺』の著者である趙学敏は、「普洱茶清香獨絶也、醒酒第一、消食化痰、清胃生津、功力尤大也」といっているそうです。

北京で買ってきた『茶飲養生事典』によると、

普洱茶は、解毒、利尿、散寒、食欲促進、止咳化痰、脂肪の新陳代謝作用、胃液分泌促進、脂肪を分解する。普洱茶は収斂作用があり、腸の蠕動運動を促進させ、習慣性便秘を改善する。研究により、血圧の上昇を抑え、血脂肪を中和し、浄血作用を生み出すことが発見された。 長期飲用すれば、動物性脂肪を体内より排出し、高血圧や動脈硬化の患者に良い。このほか医学上、防癌効果が発見されている。普洱茶を飲用すると血液循環を促進し、新陳代謝がよくなり、女性の四肢の冷えを改善するが、乾姜を加えるとさらにそれが高まる。その温和な特性は胃を損傷することなく、多くの人が飲むのに適している。

とあります。
水色は紅茶よりさらに黒く、発酵期間が長く、熟成期間を長くおいたものの方がマイルドだといわれていますが、湿度の高い場所で発酵させるので黴臭さを伴うため、特有の匂いのせいで苦手意識が生まれるかもしれません。
私も初めて普洱茶を飲んだときにあまりに変な匂いがしたため、それ以来嫌いなお茶の一つでしたが、洗茶すると黴臭さはかなり減るのと、慣れでへっちゃらになってきました。

菊花も、味が嫌い、という方がいますが、菊花だけ単品でお茶にするより、普洱茶と合わせて飲む方が、お互いの味の欠点をカバーしておいしくいただける気がします(おいしい普洱茶を飲んでいないからだよ、という声が聞こえてきそう。)。

菊花を加えることにより、喉の痛みやかすみ目にも効果があります。
中国女性は、ダイエットティーとして菊花普洱茶を飲んでいるそうですよ。

2006年01月15日

食品買ってCO2削減した量

大地を守る会からのお知らせで、フードマイレージ・キャンペーン結果というのが請求書の隣に書かれていました。

11月1日〜12月31日の期間中に
あなたは、275.5 poco 減らしました。
参加者の平均は、74.8 poco でした。
50 poco は、暖房46時間(約4日間)分のCO2、
100 poco は、乗用車45km走行分のCO2を減らしたことになります。

とあります。
そうすると、275.5 pocoだと、だいたい20日間分の暖房のCO2、
車で走ったとすると120km以上走ったのと同じCO2が削減できたということになります。

poco対象品目は、米、味噌、豆腐、納豆、油揚げ、小麦といった品目です。
私はパンは全然買いませんが、その他の品目は確かに買っていました。
伝統的な和食を食べていると、必然的にCO2削減に貢献できるというわけです。

やはり、薬膳も和食で考えなければ真の日本人の薬膳とはいえない。

とはいえ、薬膳によく使われる食材は中国製が多いんですよね。
もともと、薬膳とは中国の教えなので、仕方がないんですけど。

2006年01月14日

なつめ茶

なつめ茶なつめ茶材料「チャングムの誓いドラマガイド」に掲載されていたなつめ茶レシピで、作ってみた「なつめ茶」です。
干しなつめ80g、生姜10gに水1リットルを1時間煎じたものが、写真のお茶です。
ドラマガイドによると、40〜50分煮るとありましたが、使ったなつめが「金糸なつめ」といって売られているもので、大棗に比べると赤くて小さいものです。
1時間は煮出さないと、本に載っていたようなほうじ茶色にはなりませんでした。

イ・ヨンエさんは、チャングムの撮影中は、なつめ茶に蜂蜜、肉桂生姜を入れたものを飲んで、風邪を予防していたそうです。
なつめ茶自体は、ポヨヨンとしたなつめの味がそのままお茶になったもので、たいしておいしいとは思いませんが、肉桂を加えると味がひきしまって良いかもしれません。

第一に、肉桂や生姜は体を温め、生姜は風邪のひき始めなど、邪気がまだ体の表層にあるときに発汗させて追い出す働きがあり、なつめは気を補い血を養い精神を安定させる効果があるのです。
なつめは生姜といっしょに用いると、生姜が胃の調子を整え、なつめが脾を補う効果を強めることができます。

2006年01月13日

美容粉(おこな)は珍珠とシルク入り

美容粉VINYASAの「美容粉(おこな)」を注文してみました。
たまたま、楊さち子さんの美容本を読んでいて、その中に掲載されていたのです。
珍珠粉とシルクパウダーが原料と書いてあったので、こんなのを待っていたのよと、即買いです

なぜなら、珍珠粉を昨年の5月からクリームに混ぜて実験中だからなのです。
珍珠粉自体は、かなりすごい驚異の粉で、肌色が明るくなって白くなってきました。
友だちからも、ときどきそう言われております。
母曰く、私の肌に艶が出てきたといいます。
母は、鼻の付け根のメガネ跡がかなり薄くなってきました。

と、こんな風なので、使ってみたい! 、と思うのは必然というものです。

写真のように、コンパクトに入っているときは、かなり白っぽい色です(見た目に近いように色を調整しています。)。
左からチベットサフランベージュ、テラコッタベージュ、ロゼです。

使ってみた結果は、

まず、チベットサフランベージュを付属のプラシでサッと顔にはいてみました。
『えっ、何だか黄色くなったみたいな気がする。気のせいかな。』
もう一度添付されていたカードをよく見直すと、夜のお手入れとして、

化粧水→美容粉→クリーム→美容粉、と重ねづけする

とあります。

『黄色くなったのは気のせいかもしれないから、もっと顔に乗せてみよう。』
『.......』
『気のせいではない、少しは艶があった肌色がマットになって黄疸になってる。』
『でも、この上にクリームを塗って、落ち着かせてはどうかな。』
『全然変わらないみたい。あっ、指まで黄色く染まっちゃった。』

余分なクリームをぬぐおうとティッシュを使ったら、ティッシュまで黄色くなりました。
ラインナップの中には、カモミールイエローという色もあって、それは明らかに黄色だろうと思い、それでベージュを選んだのに。
このまま眠ったら、布団が黄色くなってやしないかと心配で、ティッシュでだいぶ顔をおさえました。

サフランベージュとテラコッタベージュは、どちらもチベットサフランを使用しており、分量の違いで色の濃さを変えているようです。
サフランベージュは、顔に塗るとサフラン独特の匂いがするし、結構それが鼻につきます。
テラコッタベージュもサフランの匂いがしますが、それほど強くないので、こちらのほうが量が少ないのではないかと思います。
ロゼは薔薇の良い香りがしますが、こちらも多くつけると顔が赤くなってしまうので、チークにするのならよいかもしれません。

やはり、パウダーはパウダー、ファンデーション代わりにするのは、ちと無理があるようです。
もともと、肌色が綺麗な人向けというところでしょうか。

2006年01月12日

チャングムが当てた熟柿

最高尚宮が、チュクスンチェ(タケノコの和え物)の中に何が入っているか、皆に聞きます。
皆が答られなかった甘味を、チャングムが「塾柿」と見事に当てたシーン。

絶対味覚というのは、いろいろな食べものを食べてこそ培われるものだそうですので、小さなチャングムが絶対味覚を持っているというのはおかしいのですが、ドラマはこのほうが盛り上がりますね。

最高尚宮 「熟柿は季節の変わり目には風邪の予防にもなるうえ、二日酔いにも効く。殿下は昨夜お酒を嗜まれたゆえ、少し入れてみたのだが、あの子が当てたわ。」

ドラマでは熟した柿と訳されていましたが、韓国では熟柿(ホンシ)として秋から冬にかけて市場に一般的に出回るポピュラーなものだそうです。
口に入れるとねっとりとして、完熟メロンに近い舌触りとかで、そのままや料理にも使うけれど、本来の宮廷料理では果物を甘味として砂糖の代わりに使うことはないそうです。

柿は甘味と渋味を持ち、寒で、体を冷やしますが、潤いをもたらし、咳を止め痰をとり、下痢を止める働きがあります。
しかし、沢山食べると歯を損ねる、と書かれています。
老人や冷え性の方は、夜に食べると体が冷えて、トイレに起きてしまうようなこともありますので、朝や昼間にいただくようにしましょう。

2006年01月10日

七草粥

1月7日は「七草粥」をいただく日でしたね。
1月6日にスーパーに行ったときには、店頭に七草盛りの籠がいっぱい並べられていました。
が、それらの七草たちがとーってもみすぼらしい。
あれでお粥を作ってもパワーなんて出ないでしょう、てなことで、芹しか買いませんでした。

それでも、七草粥の効能は知りたい、ということで調べてみました。
しかし、あいかわらず、わからないものも多いのです。
古代中国にあったものは研究されていても、日本のものや西洋のものは当然中国にないので、それについての文献がない。
きっと、どこかにあるんでしょうけれど、今の私にはわかりかねます。

七草粥そのものは、お正月の御馳走をいただいた後の、弱っている胃腸をいたわるための食べものという認識ですが、現代ではもっと良いお粥がありそうです。
都会では母子草やタビラコなんて手に入りませんし、はこべですら道端のを引っこ抜く勇気はありません。(誰かが立ちションしたかもしれませんし)

個人的にはチャングムの中でクミョンが作った『五子粥』のほうが、現在でも作ることができ、なおかつお腹にやさしいと思っています。

薺(なずな)に関していえば、薬膳料理に結構使われています。
炒めたり、餃子の具に入れたり、割とポピュラーな食材のようです。

             
材料 現在名 五味 四気 働き
芹(せり) せり 甘、辛 帰経は肺、胃。体の中の余分な水分をとり、熱をさまし、止血効果があります。
薺(なずな) ペンペン草 帰経は肝、腎、脾。体の中の余分な水分を排出させ、お腹を整え、止血作用があります。
御形(ごぎょう) 母子草
繁縷(はこべら) はこべ
仏の座 タビラコ
菘(すずな) 蕪(かぶ) 甘、苦、辛 帰経は脾。気を増し、食欲を促進し、胃を温め、咳を止める働きがあります。
蘿蔔(すずしろ) 大根 辛、甘 帰経は肺、胃。消化を助け痰を除き、脾胃の調子をととのえます。

2006年01月09日

蟹ご飯

蟹飯これは、『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』で畑先生が紹介していた蟹飯です。オリジナルではありません。
この番組は、辻調の先生たちが日替わりで登場して、それぞれ和洋中の料理を紹介する15分番組です。
ウィークデイのお昼の番組なので、DVDに録画してまとめて1週間分をチェックしています。

とってもおいしそうな料理だけメモって再現しているのですが、この炊き込みご飯は、上沼恵美子が世界一おいしいと思っている畑先生のご飯ならおいしいかと期待しつつ。
蟹の炊き込みご飯は蟹の味を出すのがむずかしいと感じていたので、畑先生のご飯はどんなもんかいなと作ってみました。

ゲスト(あおい輝彦さんだったかな)のコメントどおり、生姜が効いたご飯でした。
夫に言わせると生姜の味しかしないとか、私の蟹の入れ方が足りなかったのかも。
テレビでは、たらば蟹を使っていましたが、私の場合は冷凍のズワイなので。

でも、蟹は体を冷やすので、生姜を使うのは常道なのですよ。
蟹の豆豉炒めなどにも生姜やネギをいれるとおいしいし、何より冷えるのを防いでくれます。
畑先生は日本料理の先生ですが、生姜の絞り汁とかよくお使いです。

興味のある方にざっとレシピをご紹介しておきます。

米 3カップ
だし 3.5カップ
酒 大さじ2
みりん 大さじ1
塩 小さじ1/3
醤油 大さじ2
生姜汁 大さじ2 を入れて、ご飯を炊きます。

たらば蟹足4本とネギ1本(細切り)は、生姜30gのみじん切りとともに炒めて、塩少々で味付けし、炊いたご飯に混ぜます。

2006年01月08日

よもぎ蒸し

1年ぐらい、スポーツクラブには会費を払うのみでほとんど通っていませんでした。
これでは、もったいないこと甚だしい。
今年からは、一念発起して心がけてスポーツをすることにしました。

しかし、毎週テニスだけは続けていたとはいえ、エアロビクスもヨーガもアクアエクササイズも全然やっていません。そこで、本日はピラティスとよもぎ蒸しをすることにしました(スポーツクラブの中にあるのです)。

かなり以前から韓国エステでよもぎ蒸しをやっているのは知っていましたが、経験したことはなく、経験者に聞くと「結構気持ち良いわよ」とのこと。
よもぎ蒸しをする気になったのは、中医学を勉強しているのだから、よもぎの効能は知っているし、実体験する価値があると思いたったからです。

「よもぎ蒸し」なることばも聞いたことのない方に簡単にご説明しますと、
丸く穴の開いた椅子に座って、下からよもぎや生薬の入った蒸気を当てるのですが、蒸気が逃げないように裸の体をすっぽり包むマントを被ります。

マントの中は素っ裸ですので、椅子に座ったとたんに
私「アッツーイんですけど」
お店の方「穴の後ろの方に座って、暑さを調節してください。足を椅子の上にかかえて座られても良いですよ。」

ほんと、へたに穴の真中に座ったりすると、火傷しそうなほど熱い。
しかし、お灸も熱の効果でもぐさの成分を皮膚に浸透させるもの、お灸とは違うとはいっても熱による浸透ということは同じはず。
堪えうる限りは近づいて、入ること40分。
私は人と比較すると、とんでもなくすぐ冷えてしまいトイレが非常に近い体質、膀胱は実際かなり冷えていて気化が弱い。
そのせいか、だらだらたくさんの汗が出るというほどではなく、その点ではちょっと物足りない気がしました。
室内の温度をもっと上げてくれてもいいくらいでした。

ところが、終わってシャワーを浴びようとするとき、 『何なのこれは!』

下半身の皮膚が粘膜に向かって吸い込まれているような感覚です。
それは、ちょっとした驚き!!

皮膚が収縮しているというか収斂しているというか、閉まっている感じなのです。
私は生まれたときからのアレルギー体質で過敏症なので、人が感じないものでも反応しすぎるので、そう思ったのかもしれません。
終わった後に、お店の方にその感想を言って、他の体験した人たちがそんなことを言っていないか聞いたところ、「いいえ」ということでしたから。

でも、しっかり、よもぎ蒸しは効きそう、ということを自分の体が伝えてきました。
実験として、毎週行っちゃおうかしら。

よもぎは、生薬としての呼び名は艾葉(がいよう)、下焦(お臍より下のお腹部分)の虚寒による下腹部冷痛、生理不順、生理痛や、皮膚の湿疹の痒み、咳を止め痰を取り除くともいわれています。
以下、よもぎ蒸しに使われている生薬の一覧です。(これらすべてが、一度に使われているわけではありません。)

材料 性味 四気 帰経 効能
艾葉 苦、辛 肝、脾、腎 温経止血、散寒止痛
蒲公英(たんぽぽ) 苦、甘 肝、胃 清熱解毒、利湿
益母草(やくもそう、メハジキ) 辛、苦 微寒 心、肝、膀胱 活血祛瘀、利尿消腫
川芎(せんきゅう、セリ科) 肝、胆、心包 活血行気、祛風止痛
紅花 心、肝 活血祛瘀、通経
甘草(かんぞう) 心、肺、脾、胃 補脾益気、潤肺止咳、緩急止痛、緩和薬性
陳皮 辛、苦 脾、肺 理気、調中、燥湿、化痰
当帰(とうき) 甘、辛 心、肝、脾 補血、活血、止痛、潤腸
薄荷(はっか) 肝、肺 疏散風熱、清利頭目、利咽、透疹
芍薬(しゃくやく) 苦、酸 微寒 肝、脾 養血斂陰、柔肝止痛、平抑肝陽
桂皮(けいひ) 辛、甘 腎、脾、心、肝 補火助陽、散寒止痛、温痛経脈
黄耆(おうぎ、マメ科) 微温 脾、肺 補気昇陽、固表止汗、托毒排膿、利水退腫
葛根(かっこん) 甘、辛 脾、胃 発表解肌、昇陽透疹、解熱生津
蛇床子(じゃしょうし、オカゼリの果実) 辛、苦 温腎壮陽、散寒祛風、燥湿殺虫
高麗人参 甘、微苦 微温 脾、肺 大補元気、補脾益肺、生津止渇、安神益智

2006年01月07日

Google Adsense

ブログに Amazon Live 広告と Google Adsense を入れてます。
Amazon Liveのテーマは「薬膳」および「料理」にしており、薬膳や料理の新しい本が常に紹介されています。
でも、本はそうそう刊行されるものではないので、同じ本がずっと表示され、あまりおもしろくありません。

それに比べるとGoogle Adsenseは、結構おもしろいですね。

ブログの関連記事に関してGoogle内で検索した適切な関連広告が表示されるので、毎日記事をエントリーすると毎日関連広告が変わります。

たとえば、『チャングムと蜂の針』を書いた翌日は、

「はちみつの山田養蜂場」、「東洋鍼灸専門学校」、「大豆気分のはちみつ大豆酢」、「はちみつ黒酢で毎日の健康」

という具合です。

初めは、なぜ鍼灸専門学校の広告が入るのかわかりませんでしたが、蜂の鍼というところで反応してるんですね。
ここまで読んだ方は、私がアフィリエイト目的でAmazonやGoogleを入れているのか、自分が楽しむために入れているのか不思議に感じたかもしれません。
ちょっとぐらいはアフィリエイト、大部分は自分の楽しみのために表示しています。

自分が知りたい情報を勝手にGoogleがキャッチしてきてくれるので、意外と便利。
しかし、こんな使い方している人って他にいるのかしら。

2006年01月06日

さんざし酒

サンザシ酒サンザシは食べ過ぎによる腹部膨満感、腹痛などに効果があり、特に油っこいものやお肉を消化する能力に優れています。
血液をサラサラにし、瘀血を散らしてくれるので、高脂血症や高血圧の治療にも使われています。

秋に北京に行ったときには、サンザシの飴がけが串に刺して屋台などで売られていました。
金柑ぐらいの大きさの小さな赤い実で、北京中医薬大の庭にも植えられていました。

たぶん、おいしさを追求したら、生のサンザシをお酒に漬けた方がおいしいのでしょう。
なぜなら、酸っぱさのあるものの方がお酒にしたときにおいしいと思うからです。
たとえば、梅にしろ、金柑にしろ、花梨にしろ、氷砂糖もいれるので、甘酸っぱくて飲みやすく、女性に好まれる味になります。

あいにく、私のところでは生は手に入らないので、漢方薬局で買ったドライのものを使いました。
もちろん中華食材として売られているので、中華街などに行くと簡単に購入することができます。
ドライのサンザシは水気がないので、サンザシ酒そのものがそれほど甘酸っぱいとはいえません。

一度味見をしたら、元の黒溏酒の味しかわからないほどでしたので、ただいま、再びサンザシを足して熟成中です。

2006年01月05日

チャングムが受けた蜂針

大紀元という中国の報道サイトによると、

http://www.epochtimes.jp/jp/2005/11/html/d80597.html

このようなニュース系のサイトの場合、ページは刻々と変化していくので、このページがずっとある保証はありません。
それで、重要なところだけ引用します。

蜂を利用した治療法はかなり古い時代からありました。なぜ蜂のハリで身体を刺すと治療効果を得られるのでしょうか。実は蜜蜂が人を刺す時に人体内に注入する0.03〜0.05mlの蜂毒が、鍼、灸、薬の作用を果たすのです。

 1. 蜂のハリでツボを刺すと、身体の中を走る経絡が刺激され、気血の流れを改善するという鍼の効果が得られます。
 2. 蜂の毒を体内に注入すると、止痛消腫という薬用効果が得られます。
 3. 蜂のハリで刺した後、局部は赤く腫れ上がり、皮膚温度も高くなるというお灸の反応が現れます。これによって経絡を温め、抵抗力を増強するという効果が得られます。
 現在、蜂の毒の研究では、中に20数種類の生物活性を含むポリペプチドが含まれていることがわかりました。これらの物質は副腎皮質ホルモンの分泌促進、免疫調節機能の増強といった作用があるので、免疫力の向上、新陳代謝の促進、炎症の抑制、痛みの緩和、血液粘着度の降下、血管拡張、癌細胞成長の制圧、腫瘍転移の防止などに効果があります。
 臨床実験では、蜂の毒は関節リューマチ、神経根炎、糖尿病の神経障害、糖尿病の血管障害、変形性頚椎や腰椎関節症などに対して、目覚しい治療効果を得ています。

ウンペクがチャングムに蜂の鍼をうつ前に、精神を落ち着かせるためといって、内関穴(心包経)と曲池穴(大腸経)に鍼をうちますが、二穴とも自律神経に働きかける効果があるようです。
精神安定のためなら神門(心経)あたりのほうが良いような気もしますが、よくはわかりません。
蜂毒は、アレルギーを起こしてショック症状を起こす人もいるので、ウンペクはチャングムに蜂の鍼をうつことをためらっていたのですが、結局、チャングムの舌の痺れはとれましたね。
生きている蜂ではなく、針部分だけを取って使ったことも毒性を和らげているのではないでしょうか。
実際には舌に直接鍼をうつことはなく、ドラマを盛り上げる都合上、そうしたということです。

www.chikai.jp/medical/bbs.asp?pg=14&rep=7 参照

2006年01月04日

蓮根の絞り汁

蓮根の絞り汁これは薬茶といえるのかどうか。
蓮根の絞り汁は、生の蓮根を簡単にいただけるものです。
喘息にも良いので、宅配で頼んでいる野菜の箱に毎週のように蓮根が入っているときなどは料理のレパートリーがなくなって、絞り汁だけを飲むなんてことがあります。
絞ったかすは蓮根餅にして、炒めてこれもいただきます。

蓮根は生だと甘、寒、体の熱を冷まし肺を潤し、血液の滞りをなくしてくれます。
火を通すと、食欲を促し下痢を止める働きがあります。

生の汁は、梨の絞り汁といっしょにした飲物として、またさらにそれに生の麦門冬の汁、芦の根の汁、黒くわいの汁(中華料理によく出てくるシャリシャリしたくわい)を加えて飲む五汁飲がよく知られています。

本草綱目によると、
蓮の節は止血、蓮心は熱を冷ましリラックス効果を、ハスの花の芯は止血、蓮房(実が入っている蜂の巣のような部分)は止血し瘀血をとり、ハスの茎は気を通し、お乳の出をよくし、ハスの葉は解熱、ハスの花のへたは胎児を守り、ハスの花は暑いときに涼しくしてくれると記載されています。

2006年01月03日

チャングムの誓いMBC公式ページ

チャングムの誓いのMBCの公式ページを見つけました。
今までチャングム関係ではずいぶん検索していたのに、どうして見つけられなかったのかな。

日本語のページで、チャングムに出てくる漢医学情報を現在、医学諮問している韓国の東国大学付属漢方病院から直接お伝えとありますので、ブレーン自ら詳しく教えてくださるということですね。
以下、そのURLです。
ずっと、存在するページかどうかはわかりませんが、当分楽しめるのではないでしょうか。

www.chikai.jp/medical/bbs.asp

ただし、会員にならないと詳しい情報は読むことができません。
でも、漢方情報は無料の会員になればちゃんと『続き』を読むことができますよ。

王が王族などに出す「賜薬」は、体力あるものにはときどき利かなかったとか、「孤惑病」の説明は口中が爛れるのが「惑」であり、陰部が爛れるのが「孤」であるとか、非常にためになるおもしろい知識が手に入ります。
う〜む、良いサイトだな。

2006年01月02日

鶏と三つ葉のお雑煮

お雑煮関東地方のお雑煮は、シンプル。
かしわに三つ葉でかつおだしが定番です。
我が家のお雑煮もそれが基本で、ちょっとバリエーションをつけたり。

今回は百合根も加えて、かつおだしにプラス鶏だしです。
百合根は乾燥した季節にぴったり、鶏はお腹を温め、元気を補充してくれます。
それに香りの三つ葉とゆずを添えて、う〜ん良い香りと、気を巡らすというところですね。

2006年01月01日

お屠蘇

お正月はお屠蘇をいただいて、邪気を払いましょう。

屠蘇散は、嵯峨天皇の御世、唐から来た蘇明という人が献上した霊薬で、天皇が元旦から三日間、清涼殿での四方拝の後、御神酒にお屠蘇を浸して用いられたのが始まりだそうです。

市販の屠蘇散は成分がそれぞれ多少異なるようですが、たまたま仕入れた屠蘇散の中身は、
桂皮・山椒・陳皮・桔梗・大茴香・丁子、白朮・浜防風でした。

体を温め、お腹の調子を整え、風邪を引かぬよう調整されていたんですね。

材料 性味 四気 帰経 効能
桂皮(肉桂) 辛、甘 腎、脾、心、肝 補火助陽、散寒止痛、温痛経脈
山椒 脾、肺、腎 温中散寒、除湿
陳皮 辛、苦 脾、肺 理気、調中、燥湿、化痰
桔梗 辛、苦 開宣肺気、祛痰、排膿
大茴香(八角) 肝、腎、脾、胃 散寒止痛、理気和胃
丁子(クローブ) 肺、胃、腎 温中降逆、温腎助陽
白朮(オケラの根) 苦、甘 脾、胃 補気健脾、燥湿利水、止汗安胎
浜防風(沙参) 微寒 肺、胃 清肺養陰、益胃生津