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2006年02月28日

薬膳ではなぜ基本的に皮をむかないか

初めての実習の時間は、岡本先生の山芋の入ったお粥でした。
山芋をよく洗って、皮のついたまま角切りにしたものを入れた白粥でした。
山芋は煮ると、ほくほくして、生で食べるのと違ってとってもおいしいんですよ〜。

それがすっかり気に入ってしまい、うちの週末の朝御飯にはよく登場します。
お米からではなく、簡単にご飯から作るので、正確にいうと雑炊ということになりますが。

山芋の髭根の部分は、「気になるようなら、ガスの火で焼いて」と先生はおっしゃっていましたが、それほど長くもないので、家ではたわしで良く洗ってそのまま入れてしまいます。

このときの授業でも、皮をつけたままだと農薬が気にならないかという質問が出ました。
先生の意見は、気になるようなら皮をむいてください、ということでした。

でも、りんごにしろ人参、大根にしろ、無農薬もしくは減農薬のものを使って、皮も基本的につけて料理したほうがアレルギーには効くと私は思います。
もし、皮をむいてしまったりんごや人参をそのまま置いていたら、腐ってしまうでしょう?
皮があることで、実が腐らないように防御しているのです。

中医学では、体表に衛気(えき)という体を守っている気(運動エネルギー)が流れていて、外邪から防衛していると考えています。
アレルギー体質の人は、衛表不固(衛気の機能低下)になりやすく、腠理(いわゆる毛穴)の開閉がスムーズにいかずに人が汗をかいていないときでも、一人だけだらだら汗をかいたりすることがあります。

以臓補臓の考え方からすれば、体表の防衛力不足には皮を食べるのが望ましいのでは、ということなんです。
それに、草根木皮みな薬。
中国人の先生たちは、「日本人は、くすりになる部分をゴミにして捨てている」と、よくおっしゃいます。

2006年02月23日

薬蜜って何?

龍眼の蜂蜜レモン茶に使った龍眼の蜂蜜は、薬蜜本舗というところで購入したものです。
実家が中華街に比較的近いということもあり、最近は母と出かけることが多いのです。
この日も龍眼蜜がほしくて出かけたのですが、せっかくなので、1階で味見をいろいろ。
さらに、2階の喫茶でトースト付きの薬蜜を、いろいろ選んで味わってきました。

蜜蜂は、ある程度の広さの花畑があると、集中的にそこから蜜をとってくるそうです。
うん、それで納得。
特定の花の蜜がとれるわけです。
働き蜂の寿命は40日間で、一生の間に集めて来る蜜はスプーン1杯ほどなのですって。
ごめんなさい、蜜蜂さんたち、人間がかっさらってしまって。
蜜蜂たちが一生懸命集めてくれた蜜は、大事にいただかなければ、ね。

以下は、お味見の感想です。
薬草の花から取った蜜がどの程度、特定の効力を持つかは定かにはなっていませんが、希少価値のある蜜ということで人気があるようです。

苕子 ショウシ マメ科 色は淡い黄色で、とってもあっさりしています。
小茴香 ショウウイキョウ セリ科 フェンネルの蜂蜜です。フェンネルの香りが強いので、好き嫌いがあるかも。
黄耆 オウギ マメ科 残念ながら売切でした。
枸杞子 クコシ ナス科 色はかなり茶色に近く、かなり濃厚なお味で、ちょっと後を引く感じ。
黄連 オウレン キンポウゲ科 残念ながら売切でした。
党参 トウジン キキョウ科 朝鮮人参より、何となく一ランク下に思われている党参ですが、味としては可もなく不可もなく。
紅橘 コウキツ ミカン科 ミカンの香りのする万人好みの味です。
茘枝 レイシ ムクロジ科 当然ですが、レイシの香りがします。龍眼よりあっさり目の香りです。
龍眼 リュウガン ムクロジ科 龍眼独特の香りがさわやかに広がって来ます。
レイシに似ているのは、同じムクロジ科だからなのでしょうか。
苜蓿 モクシュク マメ科 他の蜂蜜が非常に特徴的なので、印象に残っていません。
九龍藤 キュウリュウトウ マメ科 最初は甘いけれど、後で苦みがやって来るめずらしい蜂蜜。
好き嫌いがありそう。
マヌカ フトモモ科 ティートリーの蜂蜜がマヌカハニーだったとは、最近気づきました。
それで、マヌカハニーがピロリ菌に効くといううわさが、俄然信憑性があるなと納得してしまいました。
ティートリーは殺菌力が強く、風邪のときのアロマにも効果的なんですよね。
この蜂蜜だけが、ニュージーランド性。
くせのある味なので、いろいろ効果的と知っていても、リピーターにはなりにくいかもしれません。
野巴子 ヤハシ シソ科 蜂蜜の王様というキャッチフレーズで、固形で白濁しています。
このときは、2階の喫茶でしか味わうことができませんでした。
非常になめらかで、口溶けがよく、「うん、おいし〜い」とは母の弁。

2006年02月22日

MTの更新Pingは制限あり?

Movable Typeの設定には、更新Pingをサーバーに通知できるようになっています。
というより、通常のポータルサイトなら、あちこちのサーバーに自動的に送ってくれるところを、自分で設定しなければならないようです。

blog.gs
weblogs.com
technorati.com

の三つは、チェックボックスにチェックを入れればオーケーなのですが、その他のサーバーにブログを更新したという通知を送るためには、それらのサーバーのURLを設定しなければなりません。

しかし、エントリーするたびに、「トラックバックか、アップデート情報の送信でエラーがありました。エラーのときはログをチェックしてください」
という表示になってしまいます。

Pingサーバーに通知する数が多いと(5〜6以上?)、Movable Typeの仕様上、エラーになるという話を聞いたのですが、そうなのでしょうか。

毎回毎回、エントリーするたびに、この減少が起きます。
なんとかならないのかしら。
ご存じの方がいましたら、教えてくださいませ。

2006年02月21日

御前競演でのチャングムのマンドゥ

女官になれるかどうかの料理試験。
チャングムは、小麦粉がないので、『スンチェ(白菜)で包んだ餃子』と『夕顔で包んだ餃子』で勝負します。

どこにでもある夕顔と、長番内侍(長官)は言います。
大妃がやって来てそのマンドゥを食べておいしいとおっしゃり、「小麦粉がなければクルリンマンドゥ(小麦粉をまぶしただけのマンドゥ)やオマンドゥ(魚の薄切りで包んだマンドゥ)を作ることもできたのに」と不思議がります。

するとチャングムは、

「御前競演では殿下のための料理を作っておりますが、殿下におかれましては胃腸がお丈夫ではありませぬ。
スンは腸によく、その汁は風邪を予防いたします。
そして、夕顔は胃がもたれる人には、わざわざ食べさせることもございます。
スンは、今はまだ珍しいものですが、種が広まれば朝鮮にすぐに定着する野菜でございますし、夕顔はどの家にもあるものでございます。」

と答えます。
現在の日本では、白菜の方が手に入れることは簡単で、夕顔の方がどこに売っているのかな、といった状況ですが、当時の朝鮮半島では家には夕顔を植えていたのですね。

ユウガオ(瓢箪)は、甘味を持ち凉性で、体の中の熱をさまし水分を補給し、炎症をしずめて利尿効果があります。
白菜も同じような効果があります。
詳細はチャングムが薬草園で見つけた白菜のページでどうぞ。

2006年02月20日

龍眼の蜂蜜レモン茶

蜂蜜レモン茶龍眼蜜このお茶に使われている蜂蜜は、龍眼の蜂蜜です。
インターネットでも販売されているようですが、中華街の薬蜜本舗というところで購入した、龍眼の花の蜂蜜で香りがとってもよいものです。
それに、レモンを10ccほど、レモンの皮の千切りを少々、丁香(クローヴ)5粒にジャスミンの花が小さじ1杯入っています。

たぶん、おもてなしのお茶にお出ししたら、とても喜ばれること請け合いのお茶であります。
特に、女性のお客さまにはうってつけ。
蜂蜜レモンにクローヴとジャスミンが入っているのですから、香りの良いことこのうえなしです。
久々にヒットヒットのお茶です。
クローヴが、ちょっとしたパンチになってます。

鼻を近づけると、最初にクローヴのスーッとした香りが際立つのですが、口に含むとジャスミンやレモンの香りも相まって、あっと言う間に一杯いただいてしまいます。
胃痛、頭痛に効くと、本には記載がありました。

2006年02月17日

汽鍋でスープ

汽鍋北京の研修旅行に行ったときのことです。
蘆先生がおっしゃるには、鍋の中に黄耆(おうぎ)と鶏肉を入れ、下から蒸して作るスープを入院患者さんたちに試したら、このスープを飲んだ被験者の方々の方が回復が早かったそうです。

鍋には生薬と材料が入っており、それを蒸気で蒸すと煮たのより高い温度になるので、濃くて薬の成分が充分に出たものになるそうです。

そのとき、先生が黒板で絵を書いて説明してくださった調理方法をもとに、中華街で仕入れた汽鍋をお湯の入った鍋にすっぽり入れて作ってところ、濃いスープがとれるはずなのに、全然普通のスープと変わりがありませんでした(このときは実家で作りました。)。
おかしいと思いつつ、再び家で試すと、外側のお湯が少なくなるのがとっても早いのです。
これは、やはり間欠泉のごとく、汽鍋の下の穴から鍋に吹き上がっているのでは?と疑いながら、作りました。
できあがったものは、やはり濃いスープとはいえないものでした。

さすがに、不安になって疑問がむくむく湧いてきたので、購入した照宝に、電話で汽鍋の使い方を聞いてみました。
「えっ、使い方をご存じないんですか」

お店の方が言うには、鍋の足部分(丸くて高さ2cmぐらい)が隠れる程度の鍋にお湯をはって蒸すんだそうです。
お湯の中に鍋が浸かっていてはいけないんだとか。

その後、自分で持っている中国料理の本を開くと、鍋が浸からないような寸胴鍋にたっぷりお湯を入れて蒸す、としっかり書かれていました。
先に本を読めばよかったのに、あまり考えもせずに、とにかくやってみよう主義の私は失敗も多いのです。

写真のスープは、黄耆とシャモ肉にいろいろ具を入れて作ったもの。
現在はこの汽鍋は友だちのところにあります。はい、しっかり譲ってしまいました。
だって、まともに作ると2時間立っても少ししかスープはできないんですよ。

2006年02月16日

ドゥングレ茶

ドゥングレ茶韓国薬膳レストラン「はいやく」でドゥングレ茶をいただいたので、自分でも煎じてみました。

そうなんです。
ドゥングレとは、生薬名、玉竹(ぎょくちく)のこと、葳蕤(いずい)とも呼ばれています。
肺陰と胃陰を養うことができるので、今の乾燥している季節にはぴったりのお茶ですね。
陰虚というのは、体の中に潤いが不足している状態のことをさします。

授業では、岡本先生の講義で、解表(発汗させること)の薬膳として、小豆や落花生などたくさんの木の実類を入れたお汁粉の中に玉竹も入っていました。
おいしかったですよー。滋味深いものがありました。

写真は、薄く削られた玉竹のお茶ですが、「はいやく」のものとは違い、甘味があってちょっと生薬っぽい味がします。
中医学では、酸味と甘味は潤す(酸甘は潤し、といいます)といいますから、甘味が感じられるほうが潤す効果が高いような気がします。
「はいやく」のドゥングレ茶は、万人向きにうす目に入れていたのでしょう。

2006年02月15日

丁子(クローヴ)と鬱金(ターメリック)が食べ合わせが悪い?(チャングム)

先日、薬膳仲間が丁子と鬱金が食べ合わせが悪いなんて、なんでだろう、と言ってました。
クローヴとターメリックってカレーに入っているものですよね。
同時に入れることはないのでしょうか。
いや、入っていたような.....

私も、しっかり「チャングム」の中で、
ハン尚宮が食べ合わせの講義で言っているのを聞いていました。

「豚肉の臭みを消すために丁子をいれるが、鬱金の入っている煎じ薬といっしょに食すと、下痢や嘔吐が起きる」

はたして、そうなのでしょうか?

方剤の中で鬱金と丁香(丁子)を一緒に入れているものがないかどうか調べたところ、見つかりませんでした。
やはり、食べ合わせが本当に悪いのか、見つけ方が悪いのか。
532の方剤の中から調べた結果、

鬱金を含む方剤 黄連黄芩湯 おうれんおうごんとう 胆経の発熱、口渇、口が苦い、脇痛
安宮牛黄丸 あんぐうごおうがん 高熱煩躁、神昏譫語、および卒中昏迷
牛黄清心丸 ごおうせいしんがん 神昏譫語、身熱、煩躁不安
丁香(丁子)を含む方剤 女神散 にょしんさん 肝虚気滞、上熱下寒
丁萸理中湯 ちょうゆりちゅうとう 脾胃虚寒で胃寒嘔吐が強いとき
強中湯 きょうちゅうとう 過食生冷による脾胃不和の腹満、痞満、腹痛
紫雲丹(紫雪丹) しうんたん 高熱煩躁、神昏譫語、痙厥、口渇唇焦、尿赤便閉
蘇合香丸 そごうこうがん 突然昏迷、歯関緊閉
丁香柿蒂湯 ちょうこうしていとう 胃気虚寒
柿蒂湯 していとう 胃寒呃逆不止

で、もともとこれらを含む方剤の数はそう多くはなさそうです。
すべての方剤を網羅しているわけではないので、他にこの二つを組み合わせた方剤がありそうな気もしますが。
どなたか、ご存じの方がいらっしゃったら教えてくださいませ。

鬱金は、ストレスが多くて瘀血がある人に血液をサラサラにする効果があり、
丁香は、お腹を温め、胃の冷えにより起った吐き気やしゃっくりをとめるのに優れています。

2006年02月14日

スパムメールは自動でごみ箱へ

皆さまは、いらないメールが来たときはどうしているんでしょうか。
受信する前に、リモートでサーバー上から消してる?
それとも、いったん受信してから、消してますか?

以前からメールの振り分けができることは知ってはいたのですが、メーリングリストをやっていても手動で今までは振り分けていました。
メーリングリストの中身は、自分にとって必要なものとそうでないものがあって、なおかつ分類する必要があったんです。

ところが、大量にいらないスパムメールが来出して、いったんは受信したいけれどHメールなどはタイトルも読みたくないし不愉快、ということで、やっと振り分けをしてみました。

それも、「ごみ箱」に、振り分けです。

とっても、いいですねえ。
受信すると、どんどん、ごみ箱にメールが溜まっていき、数字がどんどん増えていきます。

これぞ、時間のEco、たのし〜い。

2006年02月13日

韓国薬膳「はいやく」

銀座の「はいやく」に友だちと3人で行ってきました。
残念ながら薬膳仲間ではないので、ああでもない、こうでもないと薬膳の議論を戦わせることはできませんでしたが、おしゃれな空間で食事を楽しむことができました。

金曜の夜ということもあり、振り返るといつしか店内は満席状態。
やはり、「チャングム」の影響は大きいのでしょうか。
焼き肉店とは違った韓国料理を楽しみたい人が多いということかな。

通常は、コースにした方がリーズナブルなのですが、こっちのコースのこれが食べたいし、あっちのコースのこれが食べたいとか、お薦めのポンズコースは野菜主体だから友だちの一人が満腹しないのではと思い、参鶏湯のみ先に予約しておき、後はアラカルトでオーダーしました。

一皿の量はかなり少なめ。ここに限ったことではありませんが。
肉や油の入った料理を食べないと、満腹感に乏しいので、日本料理だとつい食べ過ぎてしまうのですが、こちらの韓国料理もそれに近いものがあります。

最終的に支払った金額は一人8千円弱(飲物込み)でした。
金額だけを考えたら、で6〜7千円で中華の薬膳を食べたほうが満足感が味わえるようです。

・ ごぼうの薬膳煮と冬野菜のチャプチェ
韓国の春雨を食べるのは初めてでしたが、太めで歯ごたえがあっておいしいですね。
胡麻の風味が効いていて上品な味付けですが、おいしいと皆の評判も上々でした。
ごぼうの薬膳煮ということですが、何が入っているのかはわかりませんでした。
中薬の特徴的な味はしなかったものですから。
・ 九条ネギと牡蠣のチヂミ
別の韓国レストランで食べたチヂミに比べると、生地がかなりモチッとしてたこ焼きに近い感じがしました。
牡蠣とネギは合います。
牡蠣は五臓を補い、乾燥した季節にはぴったりの潤いをもたらし、血を増やしてくれます。
ネギは寒さを散らして陽気を通りやすくしてくれるので、体が暖まりますよ。
・ 和牛上カルビと温野菜の石鍋盛
カルビ肉はかたまりを焼いてからカットされており、切り口が生っぽく仕上がっているので、好みによって石鍋で焼き直すことができます。
野菜の切り方が小さいのが私にはちょっと不満。
さつま芋、カリフラワー、それにネギが肉の下敷きになっていて、石鍋に貼りついてなかなかとれませんでした。
お肉を食べた割には、何となくあっさり系。
・ 雛鳥の参鶏湯・紅麹入り
これは一番楽しみにしていたもの。
味は、ニンニクの味がかなりしていたのと、大棗(ナツメ)を後で入れてちょっとだけ煮たようで、皮も果肉も固かったのは残念。
栗もかなり小さいものでしたが、韓国産なのでしょうか。
朝鮮人参も鶏の中にしこまれていましたが、牛蒡のように細かった。
お店の方が鍋の中で鶏を切ったので、ただの鶏入りのお粥のようになってしまいました。
参鶏湯は食べるのが初めてですが、これなら自分で作ってみようっと。
・ 海鮮と木の実と七種の野菜の石焼ピビンパ
蛸や帆立てや海老が生で乗っていて、リッチな雰囲気がしますが、やはり分けてしまうとやはりありがたみがなくなってしまう普通のビビンパっぽいです。
もっと、ご飯におこげができていたほうが香ばしさが際立つと思います。
木の実は何が入っていたのか、記憶にありません。
・ 韓国冷麺のサラダ仕立て
一番みんなに不評だった味。
柑橘が入っているのはわかるのですが、全体に味がうすく、何と評していいやらわからなくて、皆無言で食べた後、んーむ。
一人は、「私、これ苦手」
他の二人、「まあ、嫌いではない」
・ 高麗人参プリン
おそらく、高麗人参の煎液がプリン液の中に入っているのだと思いますが、全然わかりませんでした。
プリンの大きさをもっと大きいものにしてほしいというのが率直な友だちと私の意見です。
お皿の半分ぐらいはフルーツと抹茶のアイスクリームで占められており、メニューどおりのものが出てくるのを期待していた私たちは、ちょっとため息をついたのでした。
・ 白胡麻パンナコッタ
これは、白胡麻の味がストレートに感じられるなかなかのお味でした。
色が悪くなるのを考えなければ、黒胡麻パンナコッタもありですね。
しかし、高麗人参プリントと同様の、半分近い部分が、同じフルーツと抹茶アイスクリームになっていました。
メニューの詐称とは言わずとも、冬にアイスクリームは冷えるけれど、パンナコッタぐらいはいいかと考えて注文している方としては、多少がっかりしたのは否めません。
飾りによって、メニュー単価を上げたのかと思ったからです。
こういう飾りは、薬膳にはふさわしくありません。
・ ユズと〇〇の美肌酒
お酒が入っているのかどうかがわからないくらいのアルコール度。
ほわっとユズの香と味はしますが、よくわからないお味。
・ 黒豆、黒胡麻、黒米のマッコリ
ほんのり黒っぽいマッコリです。
普通のマッコリより、私は気に入りましたが、友だちは苦手とのこと。
この方が、絶対体には良さそうです。
・ なつめ茶
自分では煎じて飲んでいても、同じものかどうか確認したかったんですよね。
味は同じでした。

このほか、韓方薬茶としてドゥングレ茶が供されました。
友だち二人は焙じ茶にしては何か変と言っていたのですが、レジのところにドゥングレ茶があったのををしっかり見た後だった私が、ドゥングレ茶ですか、と尋ねてみるとドンピシャでした。

ドゥングレは玉竹のことなので、今度単品で煎じてドゥングレ茶を作ってみようと思います。

2006年02月10日

MT(Movable Type)にログインできなくなってしまいました

IDもパスワードも合っている。
それなのに、なぜ?
突然、MTにログインできなくなってしまい、あせることこの上なしです。

過去のエントリーに付け加えたいものがあって、同じことを何十回となく繰り返しているうちに、MTの反応がとろとろ遅くなり、なんとも低速マシン状態になってしまいました。
業をにやした私は、ログアウトをクリックしないで、ウィンドウクローズしてしまったのです。

その後はPCをログオフしてからやっても、シャットダウンしてからやっても、ログインできず、全然いつもの画面が出てきません。
ああ、どうしたらいいの?
一体全体何が起ったのか。
わからず、呆然とする私。

PCを立ち上げなおしても、同じことが繰り返されるだけなので、メモリーがいっぱいで空回りしているのではなさそうです。
そうなると???自分で考えていてもわからない。

こういうときは、先達の経験談を読まなければ。
minicpressさんのページに対応策が載っていました。良かったあ。

ご自分の備忘録のように書かれていましたが、その中の対応策の一番最初の『Cookieを空にする』
で、私のケースはおさまりました。
ほんと、どうなることかと思いました。
それ以後、ログインできないと、その都度、ドキッ、とするんですよね。

2006年02月09日

王女さまが食欲不振(チャングム)

王女さまが全然物を食べなくなり、そのことを危惧した王様が「子供に食べさせることができない親なんて」と、いっしょになって食事を拒否しだしたので、スラッカン(王様の台所)はたいへんです。

チョン最高尚宮「ハン尚宮は山芋粥を炊いてそれに食欲促進の陳皮と砂仁(サイン、しゃにん)白豆蔲(ペクトゥグ、びゃくずく)を入れてみなさい。」

ハン尚宮「おいしいものも召し上がらぬのに、薬剤の入ったものを召し上がるとは思えませんが。」

チョン最高尚宮「ミン尚宮は干し棗を焼いたのと紫蘇の葉を粉にして料理に入れてみなさい」

この時は、水に微かな臭いがあって、若い王女さまはそれのせいでご飯が食べられなくなったというのをチャングムがつきとめるのですが、王様をはじめとする王宮の人々が気にしていないのに対し、王女さまだけが食べられないので、皆が何が原因か頸をひねるのです。
王女さまは、もともと食が細く、食に対しての欲求が少なく、脾胃が丈夫でない虚の状態。
胃気も正常なら下がるはずが、上がり気味なのでしょう。

食欲を出させるために、芳香のある砂仁(生姜科)や白豆蔲(カルダモンの仲間)、ナツメに紫蘇といろいろ考える最高尚宮は、さすがです。
しかし、カルダモンのように味の主張性の強いものを入れて、料理がおかしくならないのかしら。

それと、ナツメは気を補ってくれるけれど、味の点からは積極的にその料理に対する食欲を起こしてくれるのかは疑問です。
酸っぱさのある漬物系のほうが、よいような気がします。

2006年02月08日

マクロビオティックは中国陰陽の思想ではないの?

先日、マクロビオティックのお弁当を食べたりしたので、何だかマクロビオティックが気になって、以前買った本を読み返してみました。
それは、チャヤが作ったお料理で、久司道夫さんの記事>が掲載されたものでした。

それによると、

遠心的な力は「陰」で求心的な力は「陽」

甘いもの・酸っぱいものは「陰」で、塩辛いもの・苦いものは「陽」
とあります。

んんんん、我々が習った五味の陰陽とは違う。
あわてて、確かめるべく、
「中医基礎理論」の本を開けます。

辛、甘、痰属陽、酸、苦、鹹属陰。

酸、苦は陰と書いてあります。
(簡体字では、陽はこざとへんに日、陰はこざとへんに月です。比較的わかりやすいですよね。)

マクロビオティックの陰陽の考え方は、中国のものとは違うようです。
友だちも、薬膳を勉強する前にどこが良いか探していて、本草薬膳学院にてお話をうかがったときに、やはりマクロビオティックの考え方は中医学とは違うとおっしゃったそうです。

薬膳は、食物の陰陽より、五味(酸・苦・甘・辛・鹹)や、四性(寒・熱・温・凉)、それに昇降浮沈(その食物が人間に発散作用を起こさせるものか、沈降作用を起こさせるものか)の方を重点的に考えます。
その辺も、マクロビオティックとは異なるところです。

そういえば、薬膳の最初の実習のときに、岡本先生(北京中医薬大日本校の講師)が、
「マクロビオティックを勉強してきた人が薬膳を勉強しに来て、陰陽の話をしたら、『マクロの考え方と違ってます!』 と、言われちゃったんです。」
と、おっしゃっていましたっけ。

2006年02月07日

チュンジョチョナプタンを食べた王子様が麻痺

王子様が、チュンジョチョナプタン(蟲草全鴨湯)を食べて麻痺してしまい、宮中は大騒ぎ。

チュンジョチョナプタン(冬虫夏草入り鴨の水炊きと訳されてました)の材料を確認するチャングム。
鴨、冬虫夏草、生姜、胡椒、塩、丁子、肉桂、草豆蔲(チョドゥグ)、朝鮮人参。

材料 五味 四性 効能
甘、鹹 滋陰養胃、利水消腫、健脾補虚
冬虫夏草 益腎補肺、止血化痰
生姜 微温 発表解表、温中止嘔、温肺止咳
胡椒 温中止痛
清火、涼血、解毒、涌吐
丁子 温中降逆、温腎助陽
肉桂 辛、甘 補火助陽、散寒止痛、温痛経脈
草豆蔲 健脾燥湿、散寒、温胃止嘔
朝鮮人参 甘、微苦 微温 大補元気、補脾益肺、生津止渇、安神益智

滋養効果がある材料が、ズラリと並んでいます。

結局、王子様が処方されていた肉豆蔲の油と、チュンジョチョナプタンの中の朝鮮人参との相性が悪かったために、肉豆蔲の油に含まれる麻痺成分の効き目が増大して、起きたことだと判明します。
「肉豆蔲の油」とは聞き慣れないことば、そんなことってあるのかしら、と思っていたら、この話の裏話がMBCに載っていました。

www.chikai.jp/medical/bbs.asp?pg=15&rep=4

ニクズクを使用する際には、小麦粉を包んで焼いた後、油を除いて使わなければなりません。 このような内容はニクズクの油に毒性があるという傍証です。
薬理学的にもニクズクの油には強い麻痺効果があると報告されています。
人参とニクズクに関する内容に一部誤解がありましたが、あくまでもドラマの劇的構成のためにニクズクの油にある麻痺効果を利用して設定したのだとご理解いただけますと...

諮問チームも、チャングムの味覚をなくしても言語障害を起こしてはならず、毒薬だと王子様が食べる可能性が低いということで、何にするべきかずい分悩んだそうです。
ドラマにするときは、劇的な方が楽しいですものね。

方剤としては、
長く下痢をしている人に良い「真人養臓湯」の組成が、
人参 6g、当帰9g、白朮12g、肉豆蔲 12g、肉桂3g、炙甘草6g、白芍15g、木香9g、訶子12g、炙罌粟殻20g

消化能力が落ちている人に良い「健脾丸」の組成が、
炒白朮75g、木香・酒黄連・甘草各22g、茯苓60g、人参 45g、炒神曲・陳皮・砂仁・炒麦芽・山楂子・山薬・肉豆蔲 各30g

となっており、人参と肉豆蔲が一緒に配合されています(通常、中医学で人参というと朝鮮人参のことです)し、朝鮮人参とナツメグ(肉豆蔲)の食べ合わせが悪いということではありません。
ナツメグ入りのハンバーグを食べて、独参湯(人参のみの飲物)を飲むなんて組み合わせ、ごくごく普通にありそうな光景です。

2006年02月06日

桂枝加芍薬湯って毒出しなの?

桂枝加芍薬湯材料桂枝加芍薬茶最近、ちまたでは「毒出し」とか「デトックス」ということばが流行っています。
本屋で、そのようなタイトルの本を見かけると、やはり気になって中を開いてしまいます。
たいがいは、なぜ、これが毒出し?と、不思議に思うようなものが多々あり、たいていの場合はずい分と広義の意味で使われているなあと思うのです。

入浴は、毒出し効果抜群、なんて記事を読むと、それを信じて実行して具合が悪くなるなんて人もいるのでは、と心配したり。
汗腺から汗が外に出て、一緒に老廃物が出て行くので、単純に考えるとよさそうに思えますが、体の中に内熱を持っている人や、燥(乾燥した状態)の人には、かえってさらに体内の水分が不足することになるので、汗をだらだらかくことはよくありません。

冬は乾燥の季節、エアコンの暖風を浴びて(オフィスで)乾燥しすぎ、唇がかさかさにって切れそうな状態になっている私は、よもぎ蒸しもしばらく実験休止です。

先週、気になったのは、毒出しホットジュースです。
桂枝加芍薬湯からヒントを得たというもので、シナモン、ジンジャー、オリゴ糖に熱湯を加えたものを飲むというのですが、本屋で立ち読みしていて、???状態に。
この材料だったら、シナモンジンジャーティーにしたほうが、おいしそうだけどなあ。

桂枝加芍薬湯は、小建中湯から飴糖を除いたもので、組成は、芍薬、桂枝、炙甘草、生姜、大棗、です。
腹痛やお腹が膨満しているときに飲みます。
芍薬が痛みを止める効果があるので、シナモン、ジャンジャー、オリゴ糖の組み合わせなら、腹痛のない人にも使える無難な組み合わせといえるのかもしれません。
オリゴ糖は、甘草に入っている成分だから使っているらしいのですが、シナモン、ジンジャーでは、毒出しというには間接的な働きかけ。

桂皮(シナモン)生姜(ジンジャー)は両方とも辛温解表薬で、体を温め汗をかかせることによって表層の邪を追い出そうとする薬。
解毒するのなら、清熱解毒薬とかがあるんですけどねえ。

2006年02月03日

マクロビオティックのお弁当

私は「おうちご飯派」なので、外食はあまりしません。
人と逢うときや、会社帰りに何かの教室なりに出かけるときは、外食するしかないのでどこかのお店で食事します。
昨夜は恵比寿に用事があったので、軽く夕食を食べるために、恵比寿ガーデンプレイスの先の恵比寿パークテラスにあるマクロビオティック・マルシェを尋ねました。

地図を見ながら探し当てて入ってみると、すでにお弁当は残り一つ。
売り子さんの説明によると、17時までの賞味期限で、すでに17時20分なので200円引きにいたしますが、というので、それとコーヒーを注文しました。
そのとき、あやうく、マクロってコーヒーあるんですか、と質問しそうになってしまいました。

成人になってから罹った喘息のために、5〜6年はかなりシビアな自然食を貫いていたことがある私。
その頃は、肉もコーヒーもとらず、魚も『一物全体主義』を貫ける小魚しかいただきませんでした。
好き嫌いはほとんどないので、かえって好き嫌いすることを楽しんでいたきらいもあるくらい。
喘息の発作が出なくなった頃から何でも食していますが、今でも玄米は常食になっています。

その私の目の前に出されたお弁当は、
15cm角ぐらいの紙箱に、水気の多い玄米ご飯に牛蒡の煮たのが混ぜてあるもの(手前二つの区切りの中)、
右上の区切りは、南瓜が原型をとどめていない煮物
左上の区切りは、大根をスライスした塩漬けと、直径3cmぐらいの練り物系の煮物一つ

いくら軽くても良いと思って食べているとはいえ、いくら200円引きとはいえ、何だか情けなくなってきました。
人一倍食い意地が張っている私としては、体に良くないものを外食するよりは、自然食が良かろう、それならマクロビオティックのお店にしようというノリでやって来たのです。

お店には、続々とマクロビオティックを習うための生徒さんたちがやって来ます。
ハアー、何てストイックな食生活をなさろうとしている方々たち。
どこか具合が悪いのなら、薬膳の方がいいですよ、と心の中でつぶやいていました。

食のトレンドとかいっているフードコーディネーター関係の人たちにとっては、マクロも薬膳も、今流行っている一過性のものという認識しかない方もいらっしゃるようです。

本来の薬膳は、中国3千年の歴史の中で、経験的に培われてきた中医学の理論に基づいて作られるものです。
欧米的な食生活の歪みから具合の悪くなった現代人、さらに中年以降の人たちにとって薬膳の知識を持つことは、自分の体の調子を整えて快適な暮らしをすることにつながるはずです。
もともと、薬膳は皇帝たちの絶え間ない欲求にしたがい、追求されてきました。
不老長寿、美容など、人間の願望をかなえるべく、古来の中医たちは研究してきたのです。

その中のエッセンスを取り出して、非常にわかりやすく食生活のシバリをかけたのが、マクロビオティックだと私は思っています。
ただ、食べる割合などが決まっていて、ほとんどベジタリアンの世界なので、ストイックな感じがするわけです。

薬膳がもっと広まるためには、どうすればいいのか、自問自答すれども明快な答えはかえって来ず。
全体に理論が絡み合っているので(まあ、当然といえば当然、人間は有機的な構造をしているのですから)、人に説明しようとすると、説明したことばをまた説明するはめになり.....

結局最後には、「要は、旬のものを食べていれば間違いない」
なんてことをいっちゃったりして。
悩みは深い。

2006年02月02日

胡麻杏仁茶

胡麻杏仁茶材料胡麻杏仁茶胡麻杏仁茶は、咳止めにもなるし、便秘にもよいお茶です。
不思議ですね。便秘に効くレシピを考えていて、咳止めにもなっちゃうという...

薬膳や方剤では、こういうことがたびたび起ります。
一つの症状にだけではなく、いろいろな症状に働いてくれるので、異病同治、つまり病気は違うのに同じ処方で効くということなのです。
この反対に、同病異治というのもあります。
同じ病気なのに、証(体質+症状)が違うと、異なる処方が出るのです。

咳と便秘に関していえば、表裏関係にあります。
つまり咳は表である肺経が、便秘はその裏に当たる大腸経の病なので、肺を潤す食べものが腸も潤してくれるのは不思議なことではありません。(Food Stage 皿×皿 参照)

胡麻は古くから髪の毛を黒くするといわれており(特に黒胡麻)、腎に働きかけ、血を増やしてくれます。
杏仁は、乾燥したコロコロした便のときにぴったりです。

お茶の作り方は、炒胡麻と甜杏仁(南杏ともいう、通常杏仁豆腐に使います)を適量、ミルサーやミキサーを使ってすりつぶし、熱湯を加えて、蜂蜜(これも腸のすべりをよくします)をお好きなだけ加えます。
お味は、想像つくと思いますが、結構いけてます。
写真は、ぐるぐるスプーンでかき回した後なので、あぶくがついてあまりおいしそうではありませんが、デザートティーとしてしょっちゅう飲めそう。

それでも、杏仁は毎日摂取しないでくださいね。

小毒があるので、多量に服用してはならない。子供に慎重に使用すべきである。

なんて、中薬の本に記載されてますからね。

2006年02月01日

「チャングム」ミン尚宮が内人たちに金針菜の講義

ハン尚宮とチェ尚宮の料理の競い合いの最中でも、スラッカンでは教育が続いています。
ミン尚宮が内人たちに何やら説明しています。

「これは、ヤブカンゾウの花を乾燥させたもので、フォンファまたはファンファというのよ。
このフォンファを使ってチャプチェ(油炒めにした肉、野菜、春雨の和え物)を作ると、酸味があってたいへんおいしい。
どこに良いかというと....」

ここで詰まってしまったミン尚宮の後を引き継いで、通りかかったハン尚宮が皆に説明します。
「五臓六腑をいやすことにより身体が軽くなるし、特に目があかるくなる。
また、ヤブカンゾウの花は炊き込みご飯にしたり、汁の実にもする。」

そして、最高尚宮は王様に、この料理をお出しするときに、
「殿下におかれましては、毎晩遅くまで本をお読みになっているせいか、目がかすむとのことですので、ファンファチェをご用意いたしました。」と解説します。

金針菜は、黄花菜ともいい、ここで説明されているファンファのことです。
新鮮なものは、中華街の八百屋とかでよく見かけますが、短いインゲンのように緑色で、独特のシャキシャキ感が炒めものに大変合います。

乾燥品は黄色がかったオレンジ色のものと茶色のものがあり、オレンジの方は素干しで、茶色の方は蒸してから干しているようです。
オレンジの方は色がとてもきれいなので、お茶の中に入れてもよさそうです。
まだ試していませんが、そのうち試してみますね。

金針菜は、甘味を持ち凉性で、肝と腎に対しての働きがよろしく、血を増やし、解毒、利尿効果があります。
私は炒めものやスープで使ったことはありますが、ハン尚宮のいうとおり、今度炊き込みご飯にしてみようと思います。