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マクロビオティックのお弁当

私は「おうちご飯派」なので、外食はあまりしません。
人と逢うときや、会社帰りに何かの教室なりに出かけるときは、外食するしかないのでどこかのお店で食事します。
昨夜は恵比寿に用事があったので、軽く夕食を食べるために、恵比寿ガーデンプレイスの先の恵比寿パークテラスにあるマクロビオティック・マルシェを尋ねました。

地図を見ながら探し当てて入ってみると、すでにお弁当は残り一つ。
売り子さんの説明によると、17時までの賞味期限で、すでに17時20分なので200円引きにいたしますが、というので、それとコーヒーを注文しました。
そのとき、あやうく、マクロってコーヒーあるんですか、と質問しそうになってしまいました。

成人になってから罹った喘息のために、5〜6年はかなりシビアな自然食を貫いていたことがある私。
その頃は、肉もコーヒーもとらず、魚も『一物全体主義』を貫ける小魚しかいただきませんでした。
好き嫌いはほとんどないので、かえって好き嫌いすることを楽しんでいたきらいもあるくらい。
喘息の発作が出なくなった頃から何でも食していますが、今でも玄米は常食になっています。

その私の目の前に出されたお弁当は、
15cm角ぐらいの紙箱に、水気の多い玄米ご飯に牛蒡の煮たのが混ぜてあるもの(手前二つの区切りの中)、
右上の区切りは、南瓜が原型をとどめていない煮物
左上の区切りは、大根をスライスした塩漬けと、直径3cmぐらいの練り物系の煮物一つ

いくら軽くても良いと思って食べているとはいえ、いくら200円引きとはいえ、何だか情けなくなってきました。
人一倍食い意地が張っている私としては、体に良くないものを外食するよりは、自然食が良かろう、それならマクロビオティックのお店にしようというノリでやって来たのです。

お店には、続々とマクロビオティックを習うための生徒さんたちがやって来ます。
ハアー、何てストイックな食生活をなさろうとしている方々たち。
どこか具合が悪いのなら、薬膳の方がいいですよ、と心の中でつぶやいていました。

食のトレンドとかいっているフードコーディネーター関係の人たちにとっては、マクロも薬膳も、今流行っている一過性のものという認識しかない方もいらっしゃるようです。

本来の薬膳は、中国3千年の歴史の中で、経験的に培われてきた中医学の理論に基づいて作られるものです。
欧米的な食生活の歪みから具合の悪くなった現代人、さらに中年以降の人たちにとって薬膳の知識を持つことは、自分の体の調子を整えて快適な暮らしをすることにつながるはずです。
もともと、薬膳は皇帝たちの絶え間ない欲求にしたがい、追求されてきました。
不老長寿、美容など、人間の願望をかなえるべく、古来の中医たちは研究してきたのです。

その中のエッセンスを取り出して、非常にわかりやすく食生活のシバリをかけたのが、マクロビオティックだと私は思っています。
ただ、食べる割合などが決まっていて、ほとんどベジタリアンの世界なので、ストイックな感じがするわけです。

薬膳がもっと広まるためには、どうすればいいのか、自問自答すれども明快な答えはかえって来ず。
全体に理論が絡み合っているので(まあ、当然といえば当然、人間は有機的な構造をしているのですから)、人に説明しようとすると、説明したことばをまた説明するはめになり.....

結局最後には、「要は、旬のものを食べていれば間違いない」
なんてことをいっちゃったりして。
悩みは深い。

コメント

マクロビを否定するわけではないですが、虚証の人にはちょっと不向きかな?とは思います。
ストイックな分だけ、キチンと勉強しないと危険ですよね。
肉もバターも大好きな私には、とうてい続けるのは無理な食事ですけど。

なるほど、虚証の人にはちょっと不向きって、そういえば考えたことありませんでした。
植物でも気や血を補うものはいろいろありますが、厳密に「身土不二(その土地でとれたものをその土地で暮らしている人が食べる」を実行しようとすれば、薬膳でよく使われる中国産のものも食べられないことになりますし、「以臓補臓(弱っている身体の部分を、動物の同じ部分で補う)」もないということですね。

食材の幅が少ないので、虚証の人で、この動物性の物のほうが良さそうなんだけどな、なんてときにも食べられないってことかな。

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