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ツボの位置って、中国と日本では違うの

何げに「兪穴学」の本を見ていて、ハッと気づきました。
太陰脾経のツボである
府舎(ふしゃ)」「腹結(ふっけつ)」「大横(だいおう)」「腹哀(ふくあい)

が、体の中心線から4寸になっています。
はて、3寸5分では?

調べてみると、日本では3寸5分、中国標準では4寸なのだとか。
中国語で書かれているツボの位置を計算すると、3寸5分になるんですけどね。

計算といっているのは、腹哀穴の位置が日月穴の下となっており、日月穴期門穴の下で、期門穴でやっと左右の表記あり、不容穴から1寸5分、そして不容穴は体の中心から2寸とあるからです。
何で4寸が標準になったんでしょう。

期門穴も、日本では「第9肋軟骨付着部下際」に対し、中国標準では「第6肋間で前正中線の外方4寸」です。
期門穴は肝経の募穴である要穴なので、第6の方が肝臓の位置を考えると効きそうな気がします。
古典を検証していると、変更した方がよいことが多々出てくるのでしょうか。

漢方も、元々は中国から伝来したものですが、現在では中医学の考え方と異なる部分もいろいろあります。
たとえば、虚実の考え方など、漢方では虚は虚弱体質のようにいわれますが、中医学では虚とは気が不足している状態をさし、実とは正気が邪気と戦って負けている状態をいいます。

最初は中国から伝わっていますが、それぞれ進んでいく過程では異なる部分も出てくる。
とはいえ、ツボの位置が違うなんて、整合性をとってほしいわ。

中医学を学ぶ者としては、中国標準にせざるをえないので、経穴データベースの作り直しです。

コメント

以前(数年前くらいかな〜?)朝日新聞の記事で 日本と中国でツボの位置が違うので、統一基準を作りたいけど、中国側が一歩も譲らない。と言うようなのがありましたよ。位置がずれてる理由みたいのも書いてあった様な気がするけど、全く覚えてない。つぼってちょっとでも違うと効きが悪いのでしょうか?

中医学は、中国伝統医学のことだし、元々は中国から伝来したものを日本で応用しているわけだし、中国での鍼灸の研究に比べると、日本ではそれほど行われていないのではないかと思っています。
要するに、古典の解析の仕方が双方で違うのだという感じがします。
両方じっと見比べて、どっちが効きそう?はて?肺経だったら上腕二頭筋二頭の間より橈側の方が良さそう(天府穴)、とかね。
ツボの位置って1cm違っていても違うツボになる場所もあるし、微妙に主治が変わるしで、相違があっていいとは思えませんが、中医学を学ぶものとしては中国標準を覚えるしかありません。
原点は中国にあるんですものね。

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