草根木皮みな薬
 

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黒龍江中医薬大での講義(問診)

北京中医薬大の門教室のある建物
問診の授業は、大学の敷地内ではなく、大学付属の慢性病患者を扱う所でした。
黒龍江中医薬大日本校の呉先生の先生だったという王先生が、次々現れる患者さんたちを治療されていました。
王先生の治療方法は、脈診し、必要なら舌診(頸椎病などはしない)し、五行に基づいて行います。
推拿の手技は、
木は曲直の性質なので、関節の靱帯などの運動手技を指し、
火は炎上の性質なので、推法、血脈の方向に温熱を発散し、
土は稼穡の性質なので、筋肉に対する摩法
金は従革の性質なので、発汗作用があり上に向かう(皮膚表面を刺激)
水は潤下の性質なので、下に向かうなどの作用がある按法
振動類(振法、叩打など)は火
との説明を受け、一同なるほどと思ったのでした。

1年は365日、人が生まれるのは280日、その約数は5で、5は10の真ん中であり、五体ということばもある。
5は基本数字であり、3倍すると節(せつになり、6倍すると季節になる、時計の数字と数字の間は5分であり、5という数字は「動いている」と解釈する。
と、先生は診察をなさりながら、我々に説明します。

ケース1)
男、不随意運動、痙攣(風邪による)、中枢神経をやられていて屈筋と伸筋がアンバランス、脈-浮-----治療:吸い玉と鍼
ケース2)
男、腰・頸椎のズレ(腰と頸椎が両方ズレているときは同時に治す)---治療:扳法→一指禅→滾法→扳法→左右の脈が違っていたのが両方同じになる→鍼→一指禅
ケース3)
男、脳血栓、手がスムーズに動かない----治療:一指禅、拍法、一指禅→脈診し頬を引っ張る→頭に一指禅、鍼、一指禅
ケース4)
女、アレルギー----治療:鍼(太さ1.0mmm)、調脈法によりこのときの脈に応じて取穴したのは、脳戸穴腰兪穴風府穴
ケース5)
女、頸椎症----治療:扳法、一指禅、滾法、一指禅、鍼
ケース6)
男、眼が半分開かない----鍼(中脘穴内関穴)、一指禅、点法、滾法、一指禅、叩法、拍法、一指禅、患者の手指を捻法
ケース7)
女、頸椎症----治療:扳法、滾法、鍼
ケース8)
女、腰痛----捏法、推法、按法、鍼
ケース9)
男、頭がムカムカする----治療:鍼(中脘穴内関穴百会穴)

このケースの中の女性、(たぶんアレルギーの人だったと思います)には方剤が出ていました。内容は、蒼朮陳皮甘草防風茯苓白朮