草根木皮みな薬
 

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八宝茶

感想

菊花八宝茶温性のものも寒性のものもあり、全体としては平性になっているので、万人向きのお茶だといえます。五臓をまんべんなく補っており、氷砂糖も入っていて甘いので、実証(たとえば熱があるときなど)には不向きかと思いますし、非常に喉が渇いているときにはお薦めしません。アフタヌーンティーとして、ほっと一息つきたいときには、デザート感覚で楽しめるお茶です。

八宝茶はいろいろなところで出していますが、配合の仕方によってはあまりおいしくないものもあります。表は、中華街とかでも売っているオーソドックスなタイプの分析で、私の好きな配合です。枸杞の実、龍眼、棗、干し葡萄は、もちろん最後にはスプーンですくって全部いただきます。

ちなみに、北京で買ってきた菊花八宝茶は、菊花、洋参、花茶、枸杞、桂円、紅棗、葡萄、氷糖で、菊花と花茶は別袋に入れてあり、インスタントラーメンでも仕込んでいるようであり、花茶はジャスミンの香りを緑茶にしみ込ませたものでした。写真は、その菊花八宝茶です。紅棗と書いてあるものは、小さいものが多いのですが、これは大棗です。茶色の丸いころんとしたものが桂円(龍眼肉)で、中に果肉部分が入っています。この配合もおいしいですよ。

分析

材料 性味 帰経 効能
菊花 辛甘苦/微寒 肝、肺 疏風清熱(外感風熱および温病初期の発熱、頭痛証)、解毒、明目(肝経風熱あるいは肝火上亢による眼赤腫痛証、肝腎陰虚による眼がかすむ証)
緑茶 苦微苦/微寒 心、肺、肝、腎、脾、胃 袪解暑(暑気を取り除く)、解熱毒(熱毒をさます)、止痢(下痢を止める)、利水(体の中の余分の水分を排泄させる)
紅棗 甘/温 脾、胃 補中益気(脾胃の気を補い益す)、養血安神(血虚による萎黄、臓煩躁、精神不安定)、緩和薬物(激烈な薬物の薬性を緩和する)
枸杞 甘/平 肝、腎、肺 滋補肝腎(肝腎陰虚を補う)、明目(視力減退にきく)、潤肺(陰虚による慢性咳嗽)
龍眼 甘/温 心、脾 補心脾(精神疲労により心脾を損傷した場合を補う)、益気血(気血不足)
葡萄 甘酸/平 肺、脾、腎 補気血(気血を補う)、強筋骨(筋肉、骨を強くする)、利小便(よく小便を出させる)、安胎(胎児を安定させる)、除煩止渇(胸のもやもやを除き渇きを止める)
白木耳 甘淡/平 肺、胃、腎 滋陰潤肺(体の中の陰の部分(血、津液など)を滋養し、肺を潤す)、益胃生津(津液(体の中の生理的な水分)を生み出し、胃の働きを益す)
氷砂糖 甘/平 脾、肺 補中益気(脾胃の気を補い益す)、和胃潤肺(胃を調和させ肺を潤す)、止咳化痰(咳を止め痰を出す)、養陰止汗(陰を養い寝汗を止める)