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養命酒はやっぱり温性が強い

薬膳の実習時、豚バラ肉に、肉桂丁香八角小茴香の粉末をまぶして蒸す料理をやったそうです。
私は、その授業は出ていないので、後日この料理は再現しようかと思ってます。
そのとき、養命酒にも肉桂や丁香が入っているという話になったようで、先生は温性が強いお酒だと思ったそうです。

昔から虚弱な人が飲むというイメージがある養命酒(昔山本学さんがCMに出ていませんでしたか)ですが、ことさら内容を確認したことはなかったので、ちょっと中身を覗いてみることにしました。

生薬 mg(60ml中) 学名 性味 効能 説明
烏樟 594 Cinnamomum camphora(L.) Presl. 辛/温 袪風散寒、温胃和中、理気止痛 学名から察すると楠の木のようです。クロモジといわれているようですが、樹皮を使っているそうです。
桂皮 270 Cinnamomum cassia BLUME 辛、甘/大熱 補火助陽、散寒止痛、温痛経脈 クスノキ科のケイの幹皮
淫羊藿 114 Epimedium macranthum MORR. et DENCNE. やE. sagittatum MAXIM, E.brevicornum MAXIM. 辛、甘/温 補腎壮陽、祛風除湿 シロバナイカリソウ、ホザキイカリソウ などの葉
防風 96 Saposhnikovia divaricata SCHISCHKIN (Ledebouriella seseloides WOLFF) 辛、甘/微温 祛風解表、勝湿、止痛、解痙 ボウフウの根及び根茎
地黄 60 Rehmannia glutinosa LIBOSCH. やR. glutinosa LIBOSCH. var. hueichingensis CHAO et SCHIH 甘/微温 養血滋陰、補精益髄 ジオウ や、カイケイジオウ の肥大根を乾燥したのち、酒で蒸して熟製したもの
芍薬 60 Paonia lactiflora PALL. 苦、酸/微寒 養血斂陰、柔肝止痛、平抑肝陽 シャクヤク のコルク皮を除去し、そのままあるいは湯通しして乾燥した根
人参 60 Panax ginseng C.A. MEYER 甘、微苦/微温 大補元気、補脾益肺、生津止渇、安神益智 オタネニンジンの根
益母草 48 Leonurus sibiricus L. およびL. japonicus HOUTT. 辛、微苦/微寒 活血祛瘀、利尿消腫 ホソバメハジキ およびメハジキ の全草
肉蓯蓉 48 Cistanche salsa G. BECK 甘、鹹/温 補腎陽、益精血、潤腸通便 ホンオニク の肉質茎
鬱金 36 Curcuma longa L. ならびにC. aromatica SALISB. 辛、苦/寒 活血止痛、行気解鬱、凉血清心、利胆退黄 ウコン ならびにハルウコン の塊根
丁子 24 Syzygium aromaticum MERR. et Perry 辛/温 温中降逆、温腎助陽 チョウジノキ の花蕾
杜仲 18 Eucommia ulmoides OLIV. 甘/温 補肝腎、強筋骨、安胎 トチュウの樹皮
紅花 12 Carthamus tinctorius L. 辛/温 活血祛瘀、通経 ベニバナ の管状花
反鼻 12 Agkistrodon halys Palls 甘/温 袪風、攻毒 マムシの内蔵を取り除いた全体を乾燥したもの

内容量に応じて、表示しています。
芍薬と書かれていたら通常は白芍だし、地黄と書かれているのは熟地黄だと思いましたので、それで内容を入れてます。
烏樟の学名は、樟脳と同じものです。
ただし、樟脳は、クスノキ科LauraceaeのクスノキCinnamomum camphora PRESL.の材、枝、葉、根などを蒸留精製して得られる揮発性の結晶と中薬の本には記載されていますので、同じ植物の樹皮が烏樟と思われます。

適応症は、胃腸虚弱、食欲不振、胃寒肢冷、過労などですから、やはり体が冷えていて虚証の人に良いお酒ですね。
注意事項として、高血圧、胃潰瘍患者忌服と書かれているサイトがありました。
養命酒のサイトでは、少量なら問題ないように書かれていますが、そのような症状の方なら別のお酒のほうがよろしいかと思います。
マムシが入ってるお酒だと、やはり強壮薬のイメージですね。

コメント

こんにちは。
タイムリーな話題でビックリしました。
実は先月「薬酒物語」という小冊子欲しさに養命酒のカタログ請求をしてしまいました。
今までは、歳をとってから飲むイメージがあったのですが・・・
極度の冷え性なので試してみようかと思ってます。

わあ、試してみたら、その後の様子を教えてくださいねえ。

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