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チャングムに出てくる牛乳粥とカンナン

ミン内人「今夜のお夜食はあの貴重なタラクチュク(牛乳粥)ではありませんか」

退膳間(トェソンカン)に忍び入ったチャングムとヨンセンは、大事な王様の夜食をひっくり返してしまいました。

急遽、ハン尚宮はミン内人に命じて、残っている食材を調達させますが、蓮根と生姜しかありませんでした。
そこで、ハン尚宮が作った夜食は、ヨングンウンイ(蓮根の澱粉で作った重湯)とカンナン(生姜をみじん切りにし、砂糖と蜂蜜で煮て、生姜澱粉でまとめ、松の実の粉をふりかけたもの)でした。

それに対して、提調尚宮(チェジョサングン)から、「王様の気力が衰えているご様子なので、内医院(ネイウォン)からタラッチュクを作るように言われたんだろう?」と非難されてしまいます。

カンナンは生の生姜から沈殿させて作った澱粉が必要な料理。
すでに作ってあった牛乳粥の代わりに、急に急いで作れるものかどうかは怪しいところですが、そのカンナンに対し、中宗は、

「内医院に喉の痛みに良いからと生姜の飴煮を勧められているのだが、嫌で口にしなかったら、こんなものまで作ってきたか。」と言いつつ、嫌いな生姜の匂いもそれほどしないので、おいしいといって召し上がります。

生姜は辛味を持ち、温性で、脾、胃、肺に良い食物で、寒さによる感冒、嘔吐、解毒、痰をとり咳を止める作用があります。
風邪のひき始めには、特に効果的な食品なので、ネギといっしょに料理したり、黒砂糖を入れて生姜湯にしたりするのがおすすめです。
ただし、陰虚内熱 (喉が渇きやすく、掌などがほてりやすい) の人は、さらに体の中の津液(生理的な水分)が不足してしまうので、なるべく摂らないようにしたほうがいいですね。

牛乳は、当時非常に貴重なものだったようですが、肺によく、潤いをもたらし、体力回復を促します。
が、脾胃虚寒者(疲れやすく食欲不振、お腹がしくしく痛み温めると軽減する)や、痰湿のある人には慎むようにと本には書かれています。

蓮根は甘、寒で、消化器系に働きかけ食欲を増し、下痢を止めるといわれています。
お夜食としては、貴重な牛乳に対して、粗末ともいえる蓮根と生姜の食材ですが、食物の人間への働きかけを考えると、蓮根プラス生姜のほうがより効果的なような。

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